1on1を1年ほど続けてみての振り返り

最近ブログを書けていないのですが、来週からre:Inventに行って会社ブログを10本書く予定があるので、ブログを書く練習も兼ねて気軽に書ける個人ブログで1on1について振り返ってみたいと思います。

ここ2年ほどグループマネージャーなる仕事をやっていたりするのですが、昨年の7月頃にメンバーから1on1なるものをやりませんかという提案を受けて、それ以来1年ほど1on1をやってました。

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1on1はマネージャーとしては継続したい制度

はじめはメンバーともやったことがないので、試してみて微妙だったらすぐやめようと話していました。で、1年やった結論としてはマネージャーの立場としては継続したい制度になりました。理由はマネージャーとしてメンバーと定期的に1対1で話して、気になっていることや困りごとがないか確認し、あれば解決するようにアクションしたいと考えているためです。マネージャーの仕事はメンバーのアウトプットを最大化することであり、具体的にはメンバーに対して何らかの働きかけを行うわけですが、1on1はその手段の1つと捉えています。余談ですが、この辺りの考え方はHIGH OUTPUT MANAGEMENTに書かれており、ほんとその通りだと思っています。

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1on1の運用ルールの変化

1on1を始める前と現在の運用ルールの差分から、もう少し具体的な話を書いておければと思います。実際に1on1をやる方の参考になるかもしれませし。

開始時は以下のようなルールで始めました。

1年やってどうなったかというと、以下のように変わりました。変更点は開催間隔、1回あたりの実施時間、参考書籍の3点です。

開催間隔と1回あたりの時間について

当初は隔週で1回あたり30分前後で始めてみました。で、実際にやると30分で終わることはなくて毎回60分話してました。これは話の途中で打ち切るのも微妙かと思って打ち合わせのスケジュールを60分押さえていたことが原因だと思います。枠を押さえてるのでついつい話しちゃうんですよね。私自身もw

一方で開催間隔は当初隔週としていましたが、こちらは1回が60分あることも原因かもしれませんがメンバーから特にアジェンダがないということで、2回に1回は1on1をスキップにすることがデフォルトになったため途中で月次開催に変更しました。2回連続スキップにならなかったのはさすがに月に1回はやろうということで2回連続スキップを禁止にしたためです。つまり、メンバーとしてはそもそも月次開催でなくてもよいと思っていたのかもしれません。一方で、マネージャーとしては最低でも月次開催としたいので月次で実施させてもらう状態になっていました。

ですので、マネージャーの立場からすると1on1はメンバーのアウトプットを最大化するため必ず実施したいけれども、メンバーからすると実施は任意でよいという点で非対称な制度という認識です。そのため、1on1を実施する際はメンバーからみて参加することにメリットがあると考えてもらえるよう気をつける必要があると考えています。
(そもそも、どんな打ち合わせであれお互いにメリットがあるように意識するのは当然のことではあるのですが)

なお、月次開催としていますが、これはお互いに関係性を構築できているというか私が管轄する部門に慣れた場合が前提であり、新入社員についてはまずは週次開催とし、慣れてきたら隔週、最終的に月次開催という形で開催する間隔を調整するようにしています。

今後試してみてもいいかなと考えているのは1回を30分とする代わりに隔週開催とするという方法です。ただ、幸いなことにメンバーに恵まれており、隔週にしなければ大きな問題があってそれに気づけないというようなこともない認識なので、月次60分のままでいいかなとも考えています。60分ぐらいある方がいろいろ話せますしw
(そもそも、今まで1on1でしか出てこない大きな問題のようなものはありませんでしたし、何らかの問題がある場合は日々のチャットや週次の部門の定例で検知できている認識です)

参考書籍について

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法は20代のメンバーを対象とするにはよい書籍だと考えています。理由としては育成の観点が強く書かれていると考えるためです。一方で、私が管轄する部門のメンバーは若くとも30歳以上で、上には私よりも経験豊富な40代の方もいます(ちなみに私自身は30代後半です)。また、皆さんセルフマネジメントできる方ばかりなので特に私自身が育成する必要もなかったりします。むしろ、相談させてもらうこともしばしばありますm(_ _)m

一方、HIGH OUTPUT MANAGEMENTはそもそもミドルマネジメントについて書かれている書籍であり、1on1については10ページ程度書かれているだけです。ですが、内容はマネージャーからみてなぜ1on1が必要であり、具体的にどのように進めればよいか記載されており、非常に明瞭かつ簡潔に書かれている認識です。内容も育成ではなくアウトプットを最大化するという観点で書かれているため、メンバーのレベルに関係なく参考になると考えています。

まぁ、結論としてはもちろん両方読んだほうがいいとは思います。そもそも、同じテーマについて相対化して考えるには2つ以上の事例が必要になりますし。

実際にどんな話をしているのか

やってみてわかったのは、ほんとメンバーによって話す内容が異なる点です。また、その人毎に毎回だいたい同じようなテーマで話すことが多いです。テーマが同じようなものになるのはアジェンダの用意をメンバー側にやってもらっていることが原因かもしれません。用意する側からすると前回のアジェンダを流用するほうが楽でしょうしw

具体的な内容としては基本的には雑談ですw担当している業務について話すこともあれば、趣味やプライベートの話をすることもありますし、思いっきり脱線することもしばしばあります。マネージャーとしてその方のことを把握しておくのは重要ですし、一個人としてもその方のことを知ることは楽しいので、個人的には楽しくやってます。

一方で、マネージャーとして必ず確認しているのが気になっていることや困っていることがないかについてです。メンバーのアウトプットを最大化するために1on1をやっているので、もし困りごとがあれば解決する必要があると考えています。後は4半期や1年単位で振り返りとか今後やりたいことがないかは質問するようにしています。

まとめ

最初は1on1という聞き慣れない名前で戸惑いましたが、やってみて昔からやっている上司や先輩、同僚などに1対1でやってもらった雑談とか相談と同じものだと気づきました。とはいえ、上司に関しては評価面談を除いてはこちらから依頼しなければ実施されなかったと思うので、制度化していることはよいことだと考えています。また、制度化することでどのメンバーとも一定の頻度で雑談できることも重要だと考えています。

Twitterブックマークレットを更新した(2018-09-16)

Twitterのブックマークレットを更新した - n3104のブログで更新していたブックマークレットを使ってリンクをシェアしようとしたら何か違和感があったので、よく見たらリンクしようとしたいページのURLが含まれてませんでした。。

f:id:n-3104:20180916130327p:plain

改めて前回更新したブックマークレットを見たらGuides — Twitter Developersに含まれているurlパラメーターが含まれていません。

javascript:(function(){var w=550,h=420;window.open("https://twitter.com/share?text="+encodeURIComponent(document.title),"_blank","width="+w+",height="+h+",left="+(window.innerWidth-w)/2+",top="+(window.innerHeight-h)/2+",scrollbars=yes,resizable=yes,toolbar=no,location=yes")})()

とはいえ、動作確認もしていましたし、実際に何度か使っていたんですが。。自分のTwitterを調べると今年の3月末ぐらいまでは動作していたっぽいです。

ということで、どう修正しようかと思って検索したら[JavaScript][ブックマークレット] 現在のページをTwitterにシェアする用のブックマークレットを作成が見つかり、中身もよさげだったのでそのまま使わせてもらうことにしましたm(_ _)m

javascript: (function () {window.open("https://twitter.com/intent/tweet?url="+encodeURIComponent(location.href)+"&text="+encodeURIComponent(document.title),"_blank", "width=600,height=300");})();

あと、リンクできていなかったツイートが2件あり削除しました。今更シェアし直すのも微妙ですし、ツイートは修正もできないので(´・ω・`)

はてなダイアリーをインポートした

2019年春「はてなダイアリー」終了のお知らせと「はてなブログ」への移行のお願い - はてなダイアリー日記を見かけたので、はてなダイアリーはてなブログにインポートしました。

手順ははてなダイアリーからのインポート(ブログの移行) - はてなブログ ヘルプの通りです。記事の「STEP1 インポート」はキューイングされたので放置し、3時間ぐらい経過したら完了していました。「STEP2 はてなブックマークの移行」と「STEP3 記事のリダイレクト」は一瞬で終わりました。

4年ぐらい前にはてなブログに移行していたため、はてなブログにも既存のエントリーがありましたが、期間が重複するエントリーがないためか、きれいにインポートされていました。

非常に簡単にインポートできて、素晴らしいと思いました。

ポケット版 ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

ポケット版 ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

ポケット版 ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

同僚がよい本だよと紹介していたので読みました。とてもよかったです。文法用語を一切使わずに英語の基本的な文法構造を説明しようとする本でした。英語の学習方法は「読む」ことであり、そのために必要な基本のルールを紹介するという方針で書かれていました。英文法に苦手意識がある人が読むとよいと思いました。

本書の構成としては、準備編と実践編と応用編の3つに分かれています。実践編では実際に簡単な文章を読みます。その準備として準備編で英語の文章を読むために必要な基本のルール(文法)を解説する構成になっています。応用編は冠詞と前置詞についての解説です。

準備編では基本のルール(文法)を説明していますが、特徴的なのはあくまで文法用語を使わない点です。まずは基本である主語と動詞と目的語で構成される文章について、箱と矢印を使って説明しています。次に副詞について矢印(動詞)に対する付録であると説明し、その順序は一般的な傾向はあるにしても自由であるとことについて説明しています。そして最後に形容詞を箱(名詞)に対する化粧品として説明しています。その後は他の文型なども文法用語を利用せずに箱と矢印の説明の延長で説明しています。

実践編では2つの物語を準備編で学んだルールを使って実際に読みます。文毎に区切り位置を入れて、文章の構造を確認できるようにしてくれています。

感想としては、英文法の用語を使わないようにしたことが正しいのかどうかは判断しかねるとこでした。多少は知っているのでついついマッピングしようとしてしまい、読んでいる間は覚えておく必要がある用語が倍になった印象があったので。とはいえ、箱と矢印で文の構造を解説しようとする試み自体はとてもよいと思っていて、個々の文法ルールを解説するのではなく、その背景にある仕組みを説明してくれていたと思うので、とてもよかったです。こういう英語の考え方とか見方のようなメタな話を書いてある本を読んだのは初めてだったので。今まで勉強してきた中でずっと疑問に思っていたことの何割かは解消した気がします。

あと個人的には8章のカスタムアレンジが印象的でした。言語自体は生き物で、日本語でも「それってすごくなくない?」みたいな言い方が生まれているように、英語も同様で基本形が変形してできた応用表現がいろいろあるし、今現在も生まれているという内容です。日本語自体が非常に曖昧なのに、英語に厳密さを求めていたことに気付かされて、諦めと安心の両方の気持ちになりました。日本語でもその分野独特の言い回しなどは理解できないことがあるのに、英語で理解できない英文があることを気にしても仕方ないという意味です。

全体的にとてもおもしろく、かつ、勉強になる本でした。暫くはこういう本を探して読んでみるつもりです。

2017年振り返り

2017年について振り返ってみたいと思います。ちなみに、去年は2016年振り返り - n3104のブログでした。

マネージャー職になって1年経った

今年の1月からマネジャー職をやるようになり、この1年で一番伸びたスキルを挙げるならおそらくチームマネジメントスキルだと思います。チーム自体は去年の5月にできてたので、1年半ぐらい同じチームを担当していますが、当初から想定していたチームに育ったと思います。当初から考えていたことは色々あるんですが、例えば以下のようなものです。

  • 個人ではなくチームとして対応できるようにする。
  • 急がない。まずはチームとしての練度をあげることを重視する。
  • 任せる。介入するにしてもリスクが一定値を上回るまでは様子見する。
  • やるべきことは手を抜かない。ちょっとしたことでも必ずテストするとか、本番環境で作業する際は必ずダブルチェックするとか、障害が発生した際はチームとして振り返りをして運用フローを見直すとか。
  • 機能していないルールは見直す。修正が必要であれば修正するし、不要になっていれば破棄する。
  • 自律的に機能するチームにする。最終的に自分がいなくなっても機能するチームにする。

前述のような方針にしていたのは、私が所属するAWS事業部のビジネス自体が急成長して事業立ち上げのフェーズを抜けていると認識していたためです。そのため、今後も安定して事業を拡大していけるようにサービス自体の基盤を安定させる必要があると考えていて、その安定を担えるチームを作ることを目指してマネジメントロールに取り組みました。途中で一部メンバーの入れ替えがあっても、チームとしての文化というかアイデンティティみたいなものは維持できるようになってますし、チームとしての練度は想定通りのレベルに達したかなと考えています。まぁ、実際のところはチームメンバーに恵まれたのが大きいとは思ってます。ほんと感謝ですm(_ _)m

後は裏テーマとしてチームメンバーのキャリアアップになるチームにするというのはありました。やはり、せっかく一緒に仕事をするならキャリアアップになってほしいので。チームの採用ページにも書かれているとおりで、自社で提供するシステムのサービス設計から開発、保守運用まで全部やるというのが仕事内容なので、システム開発の全行程をやれるようになってもらえることを目指してアサインしていました。最終的に自分で仕事をつくれるようになることを目指していて、そうなればまず食いっぱぐれることはないかなと。とはいえ、メンバーごとに得意なスキルも異なればキャリアプランも異なるので、その辺りは相談しつつやってる感じです。

なお、マネジメントロールについてはHIGH OUTPUT MANAGEMENT - n3104のブログがよかったです。まさにミドルマネジャーの教科書だと思います。とりあえずマネジメントロールになった際に何をすればいいか知りたければまずはこの本を読めば大丈夫かと思います。それぐらいよい本でした。

Hadoopとか大規模データ処理とか

今年はHadoopに関してはあまり勉強できなかったですね。。チームメンバー向けにEMRやHadoop Streamingのブログは多少書きましたが、勉強会は結局参加できずに終わりましたし。そもそもウォッチしたくなるような技術トピックがないのも大きいのかなと思ってます。

大規模データ処理という意味では、Athenaを利用する機会があったのですがほんと便利ですね。EMRだとクラスタの起動に時間がかかるのもありますし、利用費も安く済むのでほんと手軽だと思いました。

あとは社内でAmazon Aurora: Design Considerations for High Throughput Cloud-Native Relational Databasesの読書会があって参加したんですが、久々に論文の読書会に参加できて楽しかったです。ああいう、よくわからないものについて参加者同士であーだこーだいいながら読み解くのは、ほんと楽しいなと思ってます。

機械学習

Hadoopに替わって継続的に勉強しているのが機械学習かと思います。今年は読書会でゼロから作るDeep Learning - n3104のブログを読んで、DNNの概要は理解できました。あと、並行してPython機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践 (impress top gear)もやはり読書会をやっていて、こちらは機械学習の全体像の理解を深めた感じでした。

機械学習を本格的に学び始める際に、ある程度機械学習をわかるには2年はかかると予想してましたが、その通りで2年ほどゆるゆると勉強して全体像というか大枠は理解できるようになった気がします。といっても、機械学習がどんな要素から成り立っていて、それぞれを学ぶにはどうすればいいかがわかったぐらいなので、今後もゆるゆると学び続けるつもりです。あと、そろそろ理論を学ぶのも飽きたというか投資対効果が低い印象なので、実際に機械学習を適用するというのも試していければと考えています。

SICP

無事?その後も社内読書会が1年続きまして、2.2.3から3.3.5まで進みました。基本隔週1時間でやっていて、今年は23回(通算42回)やりました。このペースだとあと2年近くかかりそうです(^_^;)

この辺りまで進むと普通におもしろいですね。いままで知っていた概念を整理できることもありますし、まったく見たことがないものもたまにあって勉強になります。基本的に予習して問題も解いた上で参加してるんですが、読書会で理解が曖昧なところや勘違いにも気づけるのもいいです。

去年まではPythonで問題を解いていたんですが、2.3.1からPythonでは言語仕様的に解けないというか別の問題になってしまうこともあり、DrRacketを使ってneil/sicpで解いてます。おかげでSICPの問題を解く範囲でのLISPの読み書きには抵抗がなくなりましたw

あと、読書会でソースの共有をする際に便利なので問題 2.87からはGitHubにソースを公開するようになりました。

英語

今年はゆるゆると文法とヒアリングについて勉強してました。英語は学生時代に一番苦手な教科で、文法は特に苦手意識があって勉強しないでいたんですが、さすがに勉強したほうがいいかなと思って取り組みました。具体的にはゼロからスタート英文法 CD付をひたすら読んでました。7月ぐらいからなるべく毎晩1章は読むようにしていて、現在9周目です。いやー、文法、わかってくるとおもしろいものですね。いままでと英文の読み方が変わった気がします。

ヒアリングについては聞き取り・書き取り用CD付 英語は絶対、勉強するな!―学校行かない・お金かけない・だけどペラペラのCDをランダムに再生したものを毎日5分から10分ぐらい家事をしたりしつつ聞いていただけです。もともと4年前ぐらいに買って、その際はリスニングしたりディクテーションに取り組んでみたりしてたんですが、どうもディクテーションはやる気が出なくて放置していました。で、さすがに何もしないのもあれかなと思い、とりあえず家事をする際に流すというのをやってました。効果があったかは謎です(^_^;)

その他

今年は本を読んだらブログに書くというのは意識していて、それなりに実施できたかなと思います。去年が3本に対して今年は24本書いたので。

2017-01-01から1年間の記事一覧 - n3104のブログ

本は他人にすすめる際にブログにしておくと便利ですし、アウトプットする感覚の維持にもなるので、今後も続けるつもりです。

まとめ

振り返ってみると、2017年も密度の高い1年だったと思います。ただ、やはりマネジャー職になった分、プレイヤーとしての成長は感じられなかったので、そこは改善していきたいと考えています。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

同僚がよいと言っていた気がしたので、なんとなく読んでみました。大当たりでした。HIGH OUTPUT MANAGEMENTというタイトルですが、内容は本書の冒頭に書かれているとおりミドルマネジャー向けの教科書です。ミドルマネジャーの仕事内容とそれぞれの仕事をどのように進めればよいかについて明快に書かれていると思いました。管理職をやる方はまず最初に読んだほうがよいと思いますし、マネジャーの仕事内容について興味がある方も読んでみるといいと思いました。

本書の構成としてはマネジャーの仕事内容について順番に解説し、それぞれの仕事をどのように進めればよいか説明しています。事業の進捗状況の確認方法から始まり、ミーティング、事業計画の立案、組織形態、メンバーの管理方法、人事考課、採用面接、メンバーの育成などについて順に解説しています。その内容がとにかく分かりやすいというか、納得するものばかりです。それぞれのタスクについて分かりやすい例え話を示した上で、なぜそれぞれのタスクが存在するかの考察を述べ、その上で具体的にどのように実施すればよいかまでを明記しています。今までマネジメントやリーダーシップに関する本は多少読んでいたと思いますが、ここまでミドルマネジャーの仕事について明快かつ網羅的に書かれた書籍は見たことがなく、とりあえず最初にこれ読んでおけばいいのではと思う内容でした。

ちなみに、なんというかとてもカロリーを消費する書籍でした。普段ビジネス書は通勤時に読んでいるのですが、この本は一気に読めなかったです。毎日少し読んだらお腹いっぱいになって、消化しないと続きを読めない本でした。

自社でミドルマネジャーをやるようになって1年ほど経過していますが、やる前に読んでいたらもう少し進め方と結果も変わっていた気がします。とはいえ、1年近く実際にミドルマネジャーをやった上で読んだからこそ実感をもって読めたとも思うので、とりあえず読めてよかったです。この書籍に書かれている内容があらゆるケースに適用できるとは思ってはいませんが、それぞれのタスクの原理原則みたいなものは学べた気がするので、今後の仕事の中でうまく取り込んでいければと考えています。

MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣

MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣

MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣

確か日経ビジネスで広告を見かけて、そういえば決算は読んだことないなーと思って読んでみました。決算を通じて各業界(EC、FinTech、広告、個人課金、携帯キャリア)のビジネスモデルを解説するような内容でした。決算というと簿記の延長のようなものをイメージしていたのですが、非常に実践的な決算の読み解き方について書かれていると思いました。簿記や会計の知識がなくても読める内容だと思うので、本書で取り上げられている業界について興味がある方は読んでみるといいと思いました。

本書の構成としては各業界毎にまずビジネスモデルを説明し、そのビジネスモデルから各社の決算を比較する上での指標を決めて、実際に決算をもとに値を出して比較してみるという構成になっています。そして、比較する中でなぜその値が異なるのか考察し、各社のビジネスモデルの違いについて説明しています。例えば2章で紹介されているECビジネスであればその指標がテイクレートです。

ネット売上=取扱高(グロス売上)×テイクレート

そしてAmazonのような直販型と楽天市場のようなマーケットプレイス型のECビジネスはネット売上の構成が異なるのですが、テイクレートを通じて比較できるようにしてビジネスモデルの差異について説明しています。

普段から日経ビジネスなどを通じて各業界の特集記事を見たりすることで具体的なオペレーションレベルでの差は知っていたのですが、本書のように決算から具体的な数値を出して各社のビジネスモデルの差異について考察するような内容は読んだことがなかったので、非常におもしろかったです。決算を通じてビジネスモデルを理解する上でネット売上、テイクレート、YoY、ARPU、MAUのような値についてどのような場面で利用するのか学べた気がします。最後にM&Aのれん代国際会計基準と日本基準の違いについて説明しており、こちらもよく分かっていなかったので勉強なりました。

本書を読んでみて、決算を読む習慣をつけてみてもいいかなと思ったので、習慣化に取り組んでみるつもりです。