re:Invent 2018に行ってきた

AWS re:Invent 2018 | Amazon Web Servicesに行ってきました。現在所属しているクラスメソッド株式会社では毎年のように参加者を募っていて、5年前に入社してから毎年のように参加を見送っていたのですが、今年はいろいろ条件が重なったこともあり思い切って参加してみました。

イベントの様子は毎年社内チャットや参加者の話を聞いて概ね理解してはいたつもりだったのですが、やはり実際に行くといろいろと感じるものや考えることがあったので記録しておきたいと思います。以下5点について記録しておきます。

  • 成果
  • 想像以上に規模が大きい
  • 予想していた形とは違う刺激を受けた
  • とても疲れたw
  • 英語について

成果

まずは、単純に記録として参加した成果をメモしておきます。

セッションを選んでみて、サーバーレス関連というかLambdaとかDynamoDB辺りに興味が強いことが分かりました。あとはデータレイクとか機械学習関連も少し選んでいて、この辺りは順当な感じだったと思います。

想像以上に規模が大きい

想像以上に規模が大きいというのはラスベガスという街であったり、イベント会場であるホテルの規模であったり、やはりアメリカ、ほんとスケールが大きくてすごいなと思いました。一方で個々のセッション自体はもちろん会場は広かったり劇場をセッション会場にしてたりいろいろ豪華だったりはするのですが、セッション自体を聞いている最中は日本で参加するAWS Summitと差がなかったです。概ね最前列付近に座るようにしていたこともあり、セッション中は写真を撮りつつ話を聞くことに集中してると、会場の広さとかは特に意識しませんでした。

予想していた形とは違う刺激を受けた

予想していた形とは違う刺激を受けたというのは、re:Inventもそうですがすぐにセッションの動画とスライドが公開されるこの時代に、わざわざ海外まで行ってイベント参加する一番の理由は現地で何らかの刺激を受けてモチベーションを上げるためだと思ってました。で、実際参加して刺激を受けたことは受けたのですが、それが現地にいる人達の熱気にあてられたとかではなく、一緒に参加しているたくさんの同僚がいるという事実から刺激を受けたのが予想外でした。

具体的には今回のre:Inventでも大量の新サービス紹介やサービスの機能追加が発表されたわけですが、そのブログを書こうと思ったら、他の同僚たちもすごい勢いでブログを書こうとするわけです。そこまではお互い現地に行っているので当然といえば当然のことなんですが、その際に数年前なら自分しか手を挙げないようなブログでも他の同僚達が手を上げまくっていたことが衝撃でした。私が入社した5年前は40名ぐらいしかいなかった会社も今ではグループ全体で270名近くいるらしく*1AWSのサービスに合わせて専門の部署も出来ています。例えばビッグデータ関連ならデータインテグレーション部がありますし、サーバーレス関連ならサーバーレス開発部があるわけです。そして当然ながらそれらの部門からもre:Inventには参加者がいるのでそちらよりのブログなら彼らが手を挙げて書いちゃうわけですね。

そういう状況の中で、自分はもう社内において技術的には希少性が下がっているという現実を目の当たりにしたわけです。いやー、これは衝撃でした。ほんと会社が大きくなったんだなと。社員としてAWS事業本部のサービスグループのマネージャーとして、会社の成長に合わせてすごい方がどんどん入社してくれているのは嬉しく思う半面、相対的に自分の技術者としての価値が下がっていることに薄々は気づいていたんですが、まさかこういう形でその事実と対面するとは思っていませんでした。

もちろん2年前からサービスグループのマネージャーを担当する中で身につけたスキルは色々とありますし、プレイヤーとしての時間が取れない中でもいろいろ技術についても勉強する時間をある程度は確保するようにしていたつもりはあります。そして、単体の技術ではなく仕事を進めるという総合力では他の人に遅れを取るつもりはないのですが、それでも技術的に特化した希少性が自分にはなくなりつつあるという事実は、いやー、悔しいですし、恐怖でもあります。

ということで、長文になってしまいましたが、改めて技術を学ぶということに時間を割いていこうという気持ちになりました。そろそろ40代になりますし、何らかの形で自分の希少性を作り直していきたいと考えています。マネージャーとしてのキャリアパスもあるのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、一度マネージャーという立場を経験させていただいた結果として、これ以上マネージャーというキャリアパスを伸ばしたいという気持ちがなくなっています。やはり自分自身で直接問題を解決したいという気持ちが強いことがよく分かりましたので。なのでマネージャー経験もあるという意味で視野の広さももちつつ、プレイヤーとして技術的にも希少性をもったキャリアパスを築いていくつもりです。具体的な部分は現状ノーアイディアですけどもw

とても疲れたw

10年ぶりの海外旅行なこともありますし、re:Inventはセッション参加とブログ書きまくっててほとんど寝れないという話は聞いていたのですが、ほんと大変でした。しかも2日目に風邪を発症してしまい、薬で症状を押さえつつセッション参加してブログ書くという状況だったので、ほんと疲れました。出発前に子どもが風邪を引いていて、目の前で一日中咳き込んでいたので睡眠時間を長めに取るとかマスクをするとかなるべく気をつけてはいたんですが、それでもだめでしたorz

ただ、仮に風邪を発症しなかったとしても、re:Invent期間中はずっと24時間臨戦態勢みたいな状況だったので、どちらにしてもとても疲れたと思います。一緒に行った同僚たちもみな疲れたと言っていたので。それぐらい、とにかくイベントに参加してブログを書くということにみんな集中していて、これはこれでイベントっぽくて楽しかったです。疲れますけどw

英語について

今年の1月からDMM英会話を始めて最近はレッスン中であればあまりストレスなく会話できるようになっていたので、実際に海外のカンファレンスに参加してどの程度使い物になるのか確認してきました。結論としては、期待していたレベルまで英語力はついていませんでした。

  • 買い物とか道を尋ねるような会話は困らなかった
  • セッションはスピーカーの言っている内容が3割ぐらいしかわからなかった
  • セッション後のQAはある程度聞き取れた
  • ワークショップで隣りに座った人との会話は一応出来た。一方で他の参加者同士の会話はあまり聞き取れなかった

とりあえず、英語による会話自体への抵抗感はなくなっていたので、買い物とかも流れが分からなくて最初はビビりましたが、途中からは特に気にならなくなりました。人にもよりますが、ほんと向こうのレジの人は一言話しかけてきますね。一言の雑談よりもメニューの注文の方が普段使わない英語なのでよっぽど苦労しました(^_^;)

肝心のセッションですが、風邪で集中力が下がっていることもあったのかもしれませんが、あまり聞き取れませんでした。単語自体は概ね聞き取れるんですが、理解が追いつかない感じです。これは単純に普段の英会話で出てこない単語や言い回しが多くて処理が追いつかなくなっていたんだと思います。なので意識的にセッションの動画とかポッドキャストを聞いて、慣らす必要があると思いました。あとは訛りですね。こればかりは英語の基礎体力を長期的に伸ばすしかないのかどうなのかよく分かりませんでした。

セッション後のQAは1対1の会話であるためか、逆に聞き取りやすかったです。内容にもよるんですけども。同じくワークショップで隣りに座った人との会話やスピーカーに質問をしたりもしたのですが、こちらは1対1なので、多少聞き直したりはするにしても意思疎通できました。一方で他の参加者同士の会話はあまり聞き取れませんでした。要はこちらのレベルに合わせて向こうがある程度聞き取りやすい話し方をしてくれれば意思疎通できるレベルになっていて、そういう配慮がない状態だとまだまだ聞き取れないレベルであることが分かりました。

実際に参加してみて自分の状況は把握できたと思うので、今後も気長に英語には取り組んでいこうと思っています。1年前だったら全く会話できなかったと思うので、十分成長したかなと思ってます。ただ、セッションは普通に聞き取れるぐらいにはなりたいので、もうちょっと英語には優先的に時間を割こうと思っています。

最後に

まずはこのようなイベントに参加させてくれた会社に感謝です。一緒にイベントを乗り切ったという意味でも刺激をもらったという意味でも一緒に参加した同僚にも感謝です。また、日本で日常業務を支えてくれた同僚にも感謝です。あとは長期出張中に家で子どもたちの面倒をみてくれていた妻に感謝です。いやー、ほんとみなさんお疲れ様です&ありがとうございましたm(_ _)m

*1:https://classmethod.jp/company/overview/ で確認したらそんなにいるらしいです(゚д゚)!

1on1を1年ほど続けてみての振り返り

最近ブログを書けていないのですが、来週からre:Inventに行って会社ブログを10本書く予定があるので、ブログを書く練習も兼ねて気軽に書ける個人ブログで1on1について振り返ってみたいと思います。

ここ2年ほどグループマネージャーなる仕事をやっていたりするのですが、昨年の7月頃にメンバーから1on1なるものをやりませんかという提案を受けて、それ以来1年ほど1on1をやってました。

n3104.hatenablog.com

1on1はマネージャーとしては継続したい制度

はじめはメンバーともやったことがないので、試してみて微妙だったらすぐやめようと話していました。で、1年やった結論としてはマネージャーの立場としては継続したい制度になりました。理由はマネージャーとしてメンバーと定期的に1対1で話して、気になっていることや困りごとがないか確認し、あれば解決するようにアクションしたいと考えているためです。マネージャーの仕事はメンバーのアウトプットを最大化することであり、具体的にはメンバーに対して何らかの働きかけを行うわけですが、1on1はその手段の1つと捉えています。余談ですが、この辺りの考え方はHIGH OUTPUT MANAGEMENTに書かれており、ほんとその通りだと思っています。

n3104.hatenablog.com

1on1の運用ルールの変化

1on1を始める前と現在の運用ルールの差分から、もう少し具体的な話を書いておければと思います。実際に1on1をやる方の参考になるかもしれませし。

開始時は以下のようなルールで始めました。

1年やってどうなったかというと、以下のように変わりました。変更点は開催間隔、1回あたりの実施時間、参考書籍の3点です。

開催間隔と1回あたりの時間について

当初は隔週で1回あたり30分前後で始めてみました。で、実際にやると30分で終わることはなくて毎回60分話してました。これは話の途中で打ち切るのも微妙かと思って打ち合わせのスケジュールを60分押さえていたことが原因だと思います。枠を押さえてるのでついつい話しちゃうんですよね。私自身もw

一方で開催間隔は当初隔週としていましたが、こちらは1回が60分あることも原因かもしれませんがメンバーから特にアジェンダがないということで、2回に1回は1on1をスキップにすることがデフォルトになったため途中で月次開催に変更しました。2回連続スキップにならなかったのはさすがに月に1回はやろうということで2回連続スキップを禁止にしたためです。つまり、メンバーとしてはそもそも月次開催でなくてもよいと思っていたのかもしれません。一方で、マネージャーとしては最低でも月次開催としたいので月次で実施させてもらう状態になっていました。

ですので、マネージャーの立場からすると1on1はメンバーのアウトプットを最大化するため必ず実施したいけれども、メンバーからすると実施は任意でよいという点で非対称な制度という認識です。そのため、1on1を実施する際はメンバーからみて参加することにメリットがあると考えてもらえるよう気をつける必要があると考えています。
(そもそも、どんな打ち合わせであれお互いにメリットがあるように意識するのは当然のことではあるのですが)

なお、月次開催としていますが、これはお互いに関係性を構築できているというか私が管轄する部門に慣れた場合が前提であり、新入社員についてはまずは週次開催とし、慣れてきたら隔週、最終的に月次開催という形で開催する間隔を調整するようにしています。

今後試してみてもいいかなと考えているのは1回を30分とする代わりに隔週開催とするという方法です。ただ、幸いなことにメンバーに恵まれており、隔週にしなければ大きな問題があってそれに気づけないというようなこともない認識なので、月次60分のままでいいかなとも考えています。60分ぐらいある方がいろいろ話せますしw
(そもそも、今まで1on1でしか出てこない大きな問題のようなものはありませんでしたし、何らかの問題がある場合は日々のチャットや週次の部門の定例で検知できている認識です)

参考書籍について

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法は20代のメンバーを対象とするにはよい書籍だと考えています。理由としては育成の観点が強く書かれていると考えるためです。一方で、私が管轄する部門のメンバーは若くとも30歳以上で、上には私よりも経験豊富な40代の方もいます(ちなみに私自身は30代後半です)。また、皆さんセルフマネジメントできる方ばかりなので特に私自身が育成する必要もなかったりします。むしろ、相談させてもらうこともしばしばありますm(_ _)m

一方、HIGH OUTPUT MANAGEMENTはそもそもミドルマネジメントについて書かれている書籍であり、1on1については10ページ程度書かれているだけです。ですが、内容はマネージャーからみてなぜ1on1が必要であり、具体的にどのように進めればよいか記載されており、非常に明瞭かつ簡潔に書かれている認識です。内容も育成ではなくアウトプットを最大化するという観点で書かれているため、メンバーのレベルに関係なく参考になると考えています。

まぁ、結論としてはもちろん両方読んだほうがいいとは思います。そもそも、同じテーマについて相対化して考えるには2つ以上の事例が必要になりますし。

実際にどんな話をしているのか

やってみてわかったのは、ほんとメンバーによって話す内容が異なる点です。また、その人毎に毎回だいたい同じようなテーマで話すことが多いです。テーマが同じようなものになるのはアジェンダの用意をメンバー側にやってもらっていることが原因かもしれません。用意する側からすると前回のアジェンダを流用するほうが楽でしょうしw

具体的な内容としては基本的には雑談ですw担当している業務について話すこともあれば、趣味やプライベートの話をすることもありますし、思いっきり脱線することもしばしばあります。マネージャーとしてその方のことを把握しておくのは重要ですし、一個人としてもその方のことを知ることは楽しいので、個人的には楽しくやってます。

一方で、マネージャーとして必ず確認しているのが気になっていることや困っていることがないかについてです。メンバーのアウトプットを最大化するために1on1をやっているので、もし困りごとがあれば解決する必要があると考えています。後は4半期や1年単位で振り返りとか今後やりたいことがないかは質問するようにしています。

まとめ

最初は1on1という聞き慣れない名前で戸惑いましたが、やってみて昔からやっている上司や先輩、同僚などに1対1でやってもらった雑談とか相談と同じものだと気づきました。とはいえ、上司に関しては評価面談を除いてはこちらから依頼しなければ実施されなかったと思うので、制度化していることはよいことだと考えています。また、制度化することでどのメンバーとも一定の頻度で雑談できることも重要だと考えています。

Twitterブックマークレットを更新した(2018-09-16)

Twitterのブックマークレットを更新した - n3104のブログで更新していたブックマークレットを使ってリンクをシェアしようとしたら何か違和感があったので、よく見たらリンクしようとしたいページのURLが含まれてませんでした。。

f:id:n-3104:20180916130327p:plain

改めて前回更新したブックマークレットを見たらGuides — Twitter Developersに含まれているurlパラメーターが含まれていません。

javascript:(function(){var w=550,h=420;window.open("https://twitter.com/share?text="+encodeURIComponent(document.title),"_blank","width="+w+",height="+h+",left="+(window.innerWidth-w)/2+",top="+(window.innerHeight-h)/2+",scrollbars=yes,resizable=yes,toolbar=no,location=yes")})()

とはいえ、動作確認もしていましたし、実際に何度か使っていたんですが。。自分のTwitterを調べると今年の3月末ぐらいまでは動作していたっぽいです。

ということで、どう修正しようかと思って検索したら[JavaScript][ブックマークレット] 現在のページをTwitterにシェアする用のブックマークレットを作成が見つかり、中身もよさげだったのでそのまま使わせてもらうことにしましたm(_ _)m

javascript: (function () {window.open("https://twitter.com/intent/tweet?url="+encodeURIComponent(location.href)+"&text="+encodeURIComponent(document.title),"_blank", "width=600,height=300");})();

あと、リンクできていなかったツイートが2件あり削除しました。今更シェアし直すのも微妙ですし、ツイートは修正もできないので(´・ω・`)

はてなダイアリーをインポートした

2019年春「はてなダイアリー」終了のお知らせと「はてなブログ」への移行のお願い - はてなダイアリー日記を見かけたので、はてなダイアリーはてなブログにインポートしました。

手順ははてなダイアリーからのインポート(ブログの移行) - はてなブログ ヘルプの通りです。記事の「STEP1 インポート」はキューイングされたので放置し、3時間ぐらい経過したら完了していました。「STEP2 はてなブックマークの移行」と「STEP3 記事のリダイレクト」は一瞬で終わりました。

4年ぐらい前にはてなブログに移行していたため、はてなブログにも既存のエントリーがありましたが、期間が重複するエントリーがないためか、きれいにインポートされていました。

非常に簡単にインポートできて、素晴らしいと思いました。

ポケット版 ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

ポケット版 ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

ポケット版 ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

同僚がよい本だよと紹介していたので読みました。とてもよかったです。文法用語を一切使わずに英語の基本的な文法構造を説明しようとする本でした。英語の学習方法は「読む」ことであり、そのために必要な基本のルールを紹介するという方針で書かれていました。英文法に苦手意識がある人が読むとよいと思いました。

本書の構成としては、準備編と実践編と応用編の3つに分かれています。実践編では実際に簡単な文章を読みます。その準備として準備編で英語の文章を読むために必要な基本のルール(文法)を解説する構成になっています。応用編は冠詞と前置詞についての解説です。

準備編では基本のルール(文法)を説明していますが、特徴的なのはあくまで文法用語を使わない点です。まずは基本である主語と動詞と目的語で構成される文章について、箱と矢印を使って説明しています。次に副詞について矢印(動詞)に対する付録であると説明し、その順序は一般的な傾向はあるにしても自由であるとことについて説明しています。そして最後に形容詞を箱(名詞)に対する化粧品として説明しています。その後は他の文型なども文法用語を利用せずに箱と矢印の説明の延長で説明しています。

実践編では2つの物語を準備編で学んだルールを使って実際に読みます。文毎に区切り位置を入れて、文章の構造を確認できるようにしてくれています。

感想としては、英文法の用語を使わないようにしたことが正しいのかどうかは判断しかねるとこでした。多少は知っているのでついついマッピングしようとしてしまい、読んでいる間は覚えておく必要がある用語が倍になった印象があったので。とはいえ、箱と矢印で文の構造を解説しようとする試み自体はとてもよいと思っていて、個々の文法ルールを解説するのではなく、その背景にある仕組みを説明してくれていたと思うので、とてもよかったです。こういう英語の考え方とか見方のようなメタな話を書いてある本を読んだのは初めてだったので。今まで勉強してきた中でずっと疑問に思っていたことの何割かは解消した気がします。

あと個人的には8章のカスタムアレンジが印象的でした。言語自体は生き物で、日本語でも「それってすごくなくない?」みたいな言い方が生まれているように、英語も同様で基本形が変形してできた応用表現がいろいろあるし、今現在も生まれているという内容です。日本語自体が非常に曖昧なのに、英語に厳密さを求めていたことに気付かされて、諦めと安心の両方の気持ちになりました。日本語でもその分野独特の言い回しなどは理解できないことがあるのに、英語で理解できない英文があることを気にしても仕方ないという意味です。

全体的にとてもおもしろく、かつ、勉強になる本でした。暫くはこういう本を探して読んでみるつもりです。

2017年振り返り

2017年について振り返ってみたいと思います。ちなみに、去年は2016年振り返り - n3104のブログでした。

マネージャー職になって1年経った

今年の1月からマネジャー職をやるようになり、この1年で一番伸びたスキルを挙げるならおそらくチームマネジメントスキルだと思います。チーム自体は去年の5月にできてたので、1年半ぐらい同じチームを担当していますが、当初から想定していたチームに育ったと思います。当初から考えていたことは色々あるんですが、例えば以下のようなものです。

  • 個人ではなくチームとして対応できるようにする。
  • 急がない。まずはチームとしての練度をあげることを重視する。
  • 任せる。介入するにしてもリスクが一定値を上回るまでは様子見する。
  • やるべきことは手を抜かない。ちょっとしたことでも必ずテストするとか、本番環境で作業する際は必ずダブルチェックするとか、障害が発生した際はチームとして振り返りをして運用フローを見直すとか。
  • 機能していないルールは見直す。修正が必要であれば修正するし、不要になっていれば破棄する。
  • 自律的に機能するチームにする。最終的に自分がいなくなっても機能するチームにする。

前述のような方針にしていたのは、私が所属するAWS事業部のビジネス自体が急成長して事業立ち上げのフェーズを抜けていると認識していたためです。そのため、今後も安定して事業を拡大していけるようにサービス自体の基盤を安定させる必要があると考えていて、その安定を担えるチームを作ることを目指してマネジメントロールに取り組みました。途中で一部メンバーの入れ替えがあっても、チームとしての文化というかアイデンティティみたいなものは維持できるようになってますし、チームとしての練度は想定通りのレベルに達したかなと考えています。まぁ、実際のところはチームメンバーに恵まれたのが大きいとは思ってます。ほんと感謝ですm(_ _)m

後は裏テーマとしてチームメンバーのキャリアアップになるチームにするというのはありました。やはり、せっかく一緒に仕事をするならキャリアアップになってほしいので。チームの採用ページにも書かれているとおりで、自社で提供するシステムのサービス設計から開発、保守運用まで全部やるというのが仕事内容なので、システム開発の全行程をやれるようになってもらえることを目指してアサインしていました。最終的に自分で仕事をつくれるようになることを目指していて、そうなればまず食いっぱぐれることはないかなと。とはいえ、メンバーごとに得意なスキルも異なればキャリアプランも異なるので、その辺りは相談しつつやってる感じです。

なお、マネジメントロールについてはHIGH OUTPUT MANAGEMENT - n3104のブログがよかったです。まさにミドルマネジャーの教科書だと思います。とりあえずマネジメントロールになった際に何をすればいいか知りたければまずはこの本を読めば大丈夫かと思います。それぐらいよい本でした。

Hadoopとか大規模データ処理とか

今年はHadoopに関してはあまり勉強できなかったですね。。チームメンバー向けにEMRやHadoop Streamingのブログは多少書きましたが、勉強会は結局参加できずに終わりましたし。そもそもウォッチしたくなるような技術トピックがないのも大きいのかなと思ってます。

大規模データ処理という意味では、Athenaを利用する機会があったのですがほんと便利ですね。EMRだとクラスタの起動に時間がかかるのもありますし、利用費も安く済むのでほんと手軽だと思いました。

あとは社内でAmazon Aurora: Design Considerations for High Throughput Cloud-Native Relational Databasesの読書会があって参加したんですが、久々に論文の読書会に参加できて楽しかったです。ああいう、よくわからないものについて参加者同士であーだこーだいいながら読み解くのは、ほんと楽しいなと思ってます。

機械学習

Hadoopに替わって継続的に勉強しているのが機械学習かと思います。今年は読書会でゼロから作るDeep Learning - n3104のブログを読んで、DNNの概要は理解できました。あと、並行してPython機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践 (impress top gear)もやはり読書会をやっていて、こちらは機械学習の全体像の理解を深めた感じでした。

機械学習を本格的に学び始める際に、ある程度機械学習をわかるには2年はかかると予想してましたが、その通りで2年ほどゆるゆると勉強して全体像というか大枠は理解できるようになった気がします。といっても、機械学習がどんな要素から成り立っていて、それぞれを学ぶにはどうすればいいかがわかったぐらいなので、今後もゆるゆると学び続けるつもりです。あと、そろそろ理論を学ぶのも飽きたというか投資対効果が低い印象なので、実際に機械学習を適用するというのも試していければと考えています。

SICP

無事?その後も社内読書会が1年続きまして、2.2.3から3.3.5まで進みました。基本隔週1時間でやっていて、今年は23回(通算42回)やりました。このペースだとあと2年近くかかりそうです(^_^;)

この辺りまで進むと普通におもしろいですね。いままで知っていた概念を整理できることもありますし、まったく見たことがないものもたまにあって勉強になります。基本的に予習して問題も解いた上で参加してるんですが、読書会で理解が曖昧なところや勘違いにも気づけるのもいいです。

去年まではPythonで問題を解いていたんですが、2.3.1からPythonでは言語仕様的に解けないというか別の問題になってしまうこともあり、DrRacketを使ってneil/sicpで解いてます。おかげでSICPの問題を解く範囲でのLISPの読み書きには抵抗がなくなりましたw

あと、読書会でソースの共有をする際に便利なので問題 2.87からはGitHubにソースを公開するようになりました。

英語

今年はゆるゆると文法とヒアリングについて勉強してました。英語は学生時代に一番苦手な教科で、文法は特に苦手意識があって勉強しないでいたんですが、さすがに勉強したほうがいいかなと思って取り組みました。具体的にはゼロからスタート英文法 CD付をひたすら読んでました。7月ぐらいからなるべく毎晩1章は読むようにしていて、現在9周目です。いやー、文法、わかってくるとおもしろいものですね。いままでと英文の読み方が変わった気がします。

ヒアリングについては聞き取り・書き取り用CD付 英語は絶対、勉強するな!―学校行かない・お金かけない・だけどペラペラのCDをランダムに再生したものを毎日5分から10分ぐらい家事をしたりしつつ聞いていただけです。もともと4年前ぐらいに買って、その際はリスニングしたりディクテーションに取り組んでみたりしてたんですが、どうもディクテーションはやる気が出なくて放置していました。で、さすがに何もしないのもあれかなと思い、とりあえず家事をする際に流すというのをやってました。効果があったかは謎です(^_^;)

その他

今年は本を読んだらブログに書くというのは意識していて、それなりに実施できたかなと思います。去年が3本に対して今年は24本書いたので。

2017-01-01から1年間の記事一覧 - n3104のブログ

本は他人にすすめる際にブログにしておくと便利ですし、アウトプットする感覚の維持にもなるので、今後も続けるつもりです。

まとめ

振り返ってみると、2017年も密度の高い1年だったと思います。ただ、やはりマネジャー職になった分、プレイヤーとしての成長は感じられなかったので、そこは改善していきたいと考えています。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

同僚がよいと言っていた気がしたので、なんとなく読んでみました。大当たりでした。HIGH OUTPUT MANAGEMENTというタイトルですが、内容は本書の冒頭に書かれているとおりミドルマネジャー向けの教科書です。ミドルマネジャーの仕事内容とそれぞれの仕事をどのように進めればよいかについて明快に書かれていると思いました。管理職をやる方はまず最初に読んだほうがよいと思いますし、マネジャーの仕事内容について興味がある方も読んでみるといいと思いました。

本書の構成としてはマネジャーの仕事内容について順番に解説し、それぞれの仕事をどのように進めればよいか説明しています。事業の進捗状況の確認方法から始まり、ミーティング、事業計画の立案、組織形態、メンバーの管理方法、人事考課、採用面接、メンバーの育成などについて順に解説しています。その内容がとにかく分かりやすいというか、納得するものばかりです。それぞれのタスクについて分かりやすい例え話を示した上で、なぜそれぞれのタスクが存在するかの考察を述べ、その上で具体的にどのように実施すればよいかまでを明記しています。今までマネジメントやリーダーシップに関する本は多少読んでいたと思いますが、ここまでミドルマネジャーの仕事について明快かつ網羅的に書かれた書籍は見たことがなく、とりあえず最初にこれ読んでおけばいいのではと思う内容でした。

ちなみに、なんというかとてもカロリーを消費する書籍でした。普段ビジネス書は通勤時に読んでいるのですが、この本は一気に読めなかったです。毎日少し読んだらお腹いっぱいになって、消化しないと続きを読めない本でした。

自社でミドルマネジャーをやるようになって1年ほど経過していますが、やる前に読んでいたらもう少し進め方と結果も変わっていた気がします。とはいえ、1年近く実際にミドルマネジャーをやった上で読んだからこそ実感をもって読めたとも思うので、とりあえず読めてよかったです。この書籍に書かれている内容があらゆるケースに適用できるとは思ってはいませんが、それぞれのタスクの原理原則みたいなものは学べた気がするので、今後の仕事の中でうまく取り込んでいければと考えています。