匠塾 第12回ビジネスに価値を生むアジャイルとは

http://www.takumistyle.net/takumijuku/ps-012.html
少し経ったのですが、行ってきたので参加報告をば。

19:00〜19:30:ビジネスアジャイルの潮流解説「IT活用新時代に必要な技術と手法」

細川さんのお話。要求開発とアジャイルをミックスしたビジネスアジャイルの必要性に関する話。

概要
  • 「要求開発 = 業務改善 + ソフトウェア開発」を俊敏にやりたい→アジャイル
  • アジャイルが必要な背景
    1. ビジネス環境の変化に対応
    2. 投資予算の縮小
    3. 内製化
      • ユーザ企業が外注したことにより、ユーザ企業の実装力は低下している。
      • 今までとは別のやり方ということでアジャイルを試している。
  • アジャイルを支える背景
    1. 開発の短期化(アジャイルの俊敏さが欲しい)
    2. 開発のユーザ指向化(アジャイルのユーザと一緒の開発)
    3. システムを作らないという選択肢の増加(価値のある部分のみ作る、、、これはどこがアジャイルにつながったっけ?)
  • アジャイルの課題
    • ビジネスの価値をどのように産み出すか
    • 要件が存在することを前提としている。つまりアジャイルは要件そのものはカバーしていない。
    • この要件の部分を要求開発でカバーする。
  • 要求開発の課題
    • 要求開発は時間がかかる。そこで構造化したツリーの全てを作るのではなく、特定のサブツリーのみをアジャイルに実装して効果を確認する。
    • 要求管理はステークホルダ視点のストーリーカードを作る。
    • システムは今までどおり利用者に対するビジネスストーリーカードを利用。
    • モデルについては余力があれば作る。
  • 要求開発+アジャイル→ビジネスアジャイル
  • メリット(価値?)を産み出すには以下が必要
感想
  • アジャイルが要求までサポートしていないため、その部分を要求開発で担保しようとしていることが分かった。
  • 要求開発についてはまだまだ知らないので、どの辺をどのぐらいライトにするのかいまいちわからなかった。こっちは別途勉強だな。

19:30〜20:00:ビジネスアジャイルの勘所とメリット「ビジネス指向のアジャイルアプローチ」

牛尾さんの話。開発チームの外側に目を向ける必要がある。PM(調整)力重要みたいな話。

概要
  • 最近は営業をしていないが、アジャイルの案件が向こうからやってくる。
  • アジャイル導入の課題
    1. 顧客の役割
      • ラクティスがない
      • 要求を出せないことがある。
    2. チーム外との連携
      • 開発チームの内側だけでなく、外側にもいっぱい課題がある。
      • 本にはあまり書かれていない部分。
    3. 衝突
      • アジャイルを知らないPMとの衝突
      • チーム単位での評価を行わない人事との衝突
  • 顧客への手当て
    • 要求開発を全体PMという武器を与える
    • PM重要。ハードの調達とかはアジャイルにしようが無い。アジャイルに出来る部分はアジャイルにするが、出来ない部分はしっかりした管理が必要。
  • チーム外との連携
    • ソフトウェア開発チーム外との事前調整が重要。
    • 利害関係者を巻き込む力が必要になる。
    • チーム外も幸せにしよう!
  • 衝突への手当て
    • OneTeam
    • 相手を理解する意識を持つ
    • 自分の感情を理解する
      • 怒りを感じた際はもっと深い感情を探る。だいたい自分自身の不安が原因だと分かる。
  • アジャイルに関して
  • 成功するために必要な3つの力
    • 要求開発
    • プロジェクトマネジメント
    • アジャイルへの理解
感想
  • 関西弁丸出しで、くだけているけれど本質を突く話し方は、むかしお世話になった上司を思い出して少し懐かしく感じた。
  • 開発チームの外側のスライドを見たが、全体像が分かってスッキリした。
  • ご自身のPMと衝突された際の話はおもしろかった。そう、相手を理解する意識が重要だよね。
  • アジャイルな開発やりたいなーと改めて思った。経験しておかないことには、適用度とかトレードオフとか理解できないもんなぁ。
  • PM力というキーワードはInfoQとかでたまに出てたので興味深かった。何にしても調整はいるよね。システムはあくまでも手段であり、会社の一部に過ぎないのだから。

20:10〜21:00:パネルディスカッション「ビジネスアジャイル大討論会」

概要
  • アメリカで将来有望な職種No1がシステムエンジニア
  • 萩本さんは分かるために分ける。そして分けたものをつなげてみて、つながるか確認するとのこと。
  • 開発と要求の両方を平行して走らせる。
  • ユーザー企業
    • コストプレッシャーが一番大きい
      • そのため外注していた。
      • この不景気で人があまり、使う(=内製?)必要が出てきた。
    • やってみなければ価値があるのか分からないことに気づいた。
    • トップダウンアジャイルの案件が出てきている
  • 戦略からオペレーション、開発へとつなげるトップダウンとのアプローチと開発からのボトムアップのアプローチの両方が必要。
    • 開発からのボトムアップのアプローチだけでは価値に行き着けない。
  • プロトタイプ≠アジャイル
    • システムを作るということも選択肢の一つに過ぎない。プロトタイプのレベルで検証して作らないという判断も出来る。
  • スピードが目的
  • アジャイルの変化を包容は、包容ではなく変化させているだけでは
    • ボトムアップのアプローチで戦略オペレーションが固まっていないから、ユーザーに振り回される。
    • 変化というのは2種類あって後者の話(たしかこんな感じだった。うろ覚え)。
      • ビジネス環境の変化
      • オペレーションを固めていないためおこる変化
  • 要求開発は経営層向けではない。
    • アジャイルの人たちがビジネスの中に入って欲しい。
    • 現場力を高めて行きたい。
感想
  • 萩本さんがしゃべりまくっていた気がする。そのおかげで、萩本さんが開発者を後押ししたいと考えているのが聞けてよかった。
  • 不景気がアジャイルを後押しするとは。こういう視点は無かったので勉強になるなぁ。

考察

色々と思うことはあったのだけど、これは後で書くつもり。忘れないように箇条書きしとこ。

  • 内製化の流れが本格化するとして、10年後に業界はどうなっているのか。エンジニアとして提供できる価値はどの辺になる?
  • システムの企業における比重が大きいため、エンジニアにはコンサルタントと同じ能力が求められるようになった?むしろそれ以上か?
  • 業界の市場規模やシステムごとの比率、プロジェクトの規模と比率なんかの数字を頭に入れる必要がありそう。一口にシステムといってもB2BとB2C、エンタープライズからパッケージまで色々ある。この辺の前提を整理せずに会話するといつまでたっても平行線になってしまう気がする。

感想

このような勉強会を無料で公開してくれて本当にありがたいです。自分もどこかで還元していけるようになりたいです。ありがとうございました!