会社を変える分析の力

去年は英語学習関連の本しか読んでいなかったので、違う分野の本も読もうと思って読みました。想定読者が経営者、会社員、研究者、学生と幅広いので数学的な話は出てきませんし気軽に読めます。仕事でデータ分析をやる前にそもそもデータ分析とは何なのかを理解するには良い本だと思いました。

本書の主張は一貫しており、ビジネスにおけるデータ分析は意思決定に寄与する必要があり、ITや分析手法は手段に過ぎないというものです。その説明をするために以下の4章に分けて、ビジネスにおけるデータ分析について説明しています。

  • 第1章 データ分析に関する勘違い
  • 第2章 データ分析でビジネスを変える力
  • 第3章 分析力を向上させるための流儀
  • 第4章 分析プロフェッショナルへの道

私自身もデータ分析関連のPoC案件を数件やったことがありますし、前職ではミドルマネジメントもやっていたのでITや分析手法は手段に過ぎないというのは全くもって同感です。結局、意思決定というか具体的なアクションが変わらないことをやってもビジネス上は意味がありませんので*1。実際、意思決定するために各種データを揃えて分析し、その上で具体的な意思決定とオペレーションへの落とし込みみたいなこともやったことも何度かあります。

データ分析という切り口で書いている本ですが、ITシステムやアプリなどもビジネスに寄与するために作られているものなので、そういう意味では一歩引いてみるシステム開発にも応用の効く話だと思いました。システム開発であれば何のために作るのかという話ですし。一方で、本書ではデータ分析の具体的な内容はあまり出てきませんので、具体的な内容を知りたいなら仕事ではじめる機械学習確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 (角川書店単行本)も合わせて読むと良いかなと思いました。

*1:一方で、個人的にはその手段で生活するためにビジネスをやってるだけだったりしますけどもw