2024年ふりかえり

2024年についてふりかえってみたいと思います。ちなみに、去年は 2023年ふりかえり - n3104のブログ でした。

仕事

前半と後半で違うことをやっていましたが非常に充実感のある1年だったと思います。

内製化支援

内製化支援チームの案件をしつつ並行して新規のサービスメニュー開発をやったりしていました。自分たちが提供しようとしているものが組織開発に近いことに気づき、組織開発関連の本を読んだりもしていました。顧客への提案から毎回のセッションの設計、当日のファシリテーションまで一通りできるようになったと思います。ただ、残念ながら内製化支援チームの事業は6月末で終了となったため異動することになりました。

ドルマネジメント

7月からは 会員ID統合基盤 認証認可サービス『Barista』|CRMとECのAPIプラットフォーム【プリズマティクス】 を提供する小売流通ソリューション部のBaristaチームに異動しました。異動の際に2025年1月ぐらいから半年ぐらいかけて徐々にマネージャーを引き取る方向性で会話していたのですが、結果的には10月(実際には8月下旬)からマネージャーになり12月末の時点でほぼマネージャーの業務の引取を完了しました。そのためここ数年でも最も忙しい半年だったと思います。異動したばかりの部署でマネージャーをやれるのか心配していたのですが、みなさん親切なこともあって何とかやれています。

コーチン

社内向けコーチ業を継続してコーチングの経験を積みました。こちらは異動後も続けていて現在3名のクライアントのコーチングをしています。この2年で合計100セッションぐらいはやったと思いますし、クライアントも合計で7名担当しました。おかげでコーチングの基本的なやり方はできるようになったと思います。内製化支援の案件をやらなくなり、コーチモード(傾聴する、判断しないなど)になれる貴重な時間なので継続したいと考えています。

英語

本格的に英語学習をやるようになって7年経過しました。今年は1日1時間から30分に減らして英語学習を継続しました。仕事が忙しくなりすぎて余裕がなくなったのも理由ですが、ある程度のレベルまで上がったので他のことに時間を使ったほうがトータルのコスパがよいと判断したのもの理由です。

  • 1年で英会話の能力は多少上がった気がする。レアジョブのレッスン中の雑談やディスカッションで話せる量や表現が増えたと思う。レアジョブのスピーキングテストでも初めてB1 Highになった
  • レアジョブは週5日から週3日に減らした。Daily News Articleと実用英会話を交互にやった。実用英会話はLevel 7に入った
  • iKnow! は継続していたが週4回で1回5分に減らした結果、復習アイテムの消化が追いつかなくなった。来年は契約を更新せずに終了すると思う。そもそもマスターアイテムは10000を超えていて、単純な単語レベルのボキャブラリー数がボトルネックという印象を持っていない(逆にイディオムとか言い回しは足りていない印象)
  • ディクテーションとしてレアジョブのWeekly News Articleの書き取りを継続した。週4回で1回10分に変えた。分かりやすく成長した印象はないが、普段英語を書き取るという機会がないので気づきも多い。そのため継続でいいかと思っている
  • 英作文は ビジネスで1番よく使う英語Eメール (BIZ No.1) をやり始めた。ディクテーションと同じく週4回で1回10分。こういう時はこういう言い回しをするんだという発見の連続になっている。一方で今まで見慣れない言い回しなのでなかなか覚えられない。今のペースだと1冊を終えるのに5年ぐらいかかりそうな気もするが、気長に続ける予定
  • リーディングは The Lord of the Rings: The classic fantasy masterpiece (English Edition) を読み続けた。84%なのでもう少しで読み終わる。映画も1作目ぐらいしか観てなかったし、日本語版の指輪物語を読んだこともなかったのでこういう話なんだという意味では新鮮だった。昔からファンタジーの原点というイメージを持っていて、いつか原書を読んでみたいと思っていたので感慨深かった

読書

今年もそこそこ読んだのですが、読書メモを書く時間を取れなくて一切ブログを書けませんでした。。

読書会

基礎から学ぶコンテナセキュリティ――Dockerを通して理解するコンテナの攻撃例と対策 Software Design plus を読み終わり、現在は 検索システム 実務者のための開発改善ガイドブック を読んでいます。今年は合計で12回やりました。

主催している読書会も今年で13年目になりましたが、書籍毎に多少のメンバーの入れ替わりもありながら概ね月次開催を続けられていています。いつも参加してくれるメンバーには感謝しかありません。ゆるく続けていきたいと思っています。

数学

数学は毎日5分やるを継続しました。やさしく学べる線形代数 をやり終えて、今は やさしく学べる微分積分 をやっています。毎日やっているおかげでたまにやるよりは忘れずに知識が積み上がっている気がします。微分積分はほんとパズルみたいという印象です。変換ルールが大量にあって覚えていないと解けない問題ばかりなので。10年前にやさしく学べる微分積分をやってから統計学機械学習を学んでいたらもう少し楽だったし理解も深まったんだろうと思います(^_^;)

絵を描く

3ステップで らしく描ける 伝わる絵の見本帖 ロジカルデッサンの技法鉛筆一本ではじめる人物の描き方 ロジカルデッサンの技法 やって、次に 描けるようになりたい!なら読んでみて。超かんたん!しんもと流マンガキャラの描き方 をやりました。技法的な部分は多少知れたのですが、そもそも自発的に描きたいテーマが見つからず10月から描かなくなりました。とはいえ最近iPad miniを買ったのでデジタルで書くのを試してみようかと思っています。

その他

今年はドラム式洗濯乾燥機と食洗機を買ったのですが、毎日の家事の時間がトータルで30分以上短縮できてQOLが爆上がりしました。あとディスプレイをWQHDの27インチのものに変えて生産性が上がったと思います。こういう分野にお金をかけるのが大切と学んだ1年でもありました。

まとめ

ふりかえってみると、ありがたいことに2024年も密度の高い1年だったと思います。2025年も新しいことを経験できるといいなと思ってます。

2023年ふりかえり

2023年についてふりかえってみたいと思います。ちなみに、去年は 2022年ふりかえり - n3104のブログ でした。

仕事

前半と後半で違うことをやっていましたが非常に充実感のある1年だったと思います。

システム開発

去年の9月から参加した受託開発の案件を5月末までやっていました。色々と大変なこともありましたが最終的にはお客様も含めてワンチームになって進めることができた案件でした。スクラム開発のやり方についても学べましたし、お客様のセキュリティ標準に適合させつつなるべく手作業をなくして自動化する形でAWSインフラの設計を一通り行ったのも良い経験になりました。ほんとお客様とチームメンバーに恵まれた案件だったと思います。

コーチングとファシリテーション

6月からは内製化支援チームの案件に戻って内製化支援コーチとして提案や毎回のセッションのファシリテーターを担当していました。提案のみや社内向けにドッグフーディングしてもらった案件も含めると10件近くの案件半年の間にやれたのでかなり忙しかったですが一気に経験値を増やせたと思います。こういうお客さんであればこういう支援ができるし、3ヶ月、6ヶ月でどういう変化が起きるかある程度予想できる感じになりました。

案件とは別に社内向けコーチ業も継続してコーチングの経験を積みました。おかげである程度はコーチングやファシリテーションの世界観がわかるようになり、実践もできるようになったと思いますが、まだまだ修行が足りてないなーと思ってます。

AWS認定取得

同僚の1/6ぐらいはAWS認定をコンプリートしているのでどこかのタイミングで一度コンプリートしようと思っていたのですが、6月から内製化支援チームの案件でIT技術に触れる機会も減ると思ったので並行して認定取得を続けて12月に コンプリート しました。特にネットワーク周りは詳しくなかったので Advanced Networking - Specialty 取得のために勉強してある程度理解できるようになってよかったと思っています。

英語

今年も1日1時間の英語学習を継続しました。ただ、あまり変化もなくなってきたのでこちらにまとめて書いておきます。

  • 1年で英会話の能力は多少上がった気がする。レアジョブのDaily News Articleも初見で7割ぐらいは理解できるし、サマリーもとりあえず言えるし、ディスカッションでも言いたいことがある程度言えるようになった。ただし、レアジョブのスピーキングテストだと変化はなかった。
  • iKnow! はついに10000マスターアイテムを達成した!そして復習アイテムが多すぎて新規コースを追加できなくなった。例文のシャドーイングを続けていて、この1年で聞き取れる範囲が少し増えた気がする。
  • ディクテーションの勉強を始めた。毎日5分なのであまり成長しなかったが、自分がよく聞き間違える部分はある程度把握できたし、英語を書き取るという行為にも多少慣れた気がする。
  • 英作文と言うか言いたいことを話す練習という意味でレアジョブのConversation Questionsも継続した。毎日5分教材の質問に対する回答の作文を継続した。
  • リーディングという意味ではハリーポッターをついに読み終えた!呪いの子まで読んだが約2年かかったので感慨深かった。その後は英会話で説明に困ることが結構あるので4冊ぐらい英語で書かれた日本の観光案内の本を読んだ。知らない観光名所もあったりおもしろかったが、英会話で役に立っている印象はないような。その後はThe Lord of the Ringsを読み始めた。

読書

今年もそこそこ読んだのですが、読書メモを書く時間が取れなくてほとんど読書メモを書けなかったです。。

読書会

みんなのデータ構造 を読み終わりました。今年は10回やり、合計で16回でした。ディスカッションと練習問題は飛ばしましたが、本文の数式部分の説明についても取り組むようにしてある程度は理解できたと思います。

主催している読書会も今年で12年目になりましたが、書籍毎に多少のメンバーの入れ替わりもありながら月次開催を続けられていています。いつも参加してくれるメンバーには感謝しかありません。ゆるく続けていきたいと思っています。

データ構造とアルゴリズム

6月から社内でLeetCodeの問題を毎週解く会に復帰してしてました。また、読書会でみんなのデータ構造も読んだりもしていましたが、もう少し本格的に取り組む必要を感じたので8月から 問題解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造 (KS情報科学専門書) を毎日10分読むようになりました。半分ぐらいまで読んだので、残りも読んだら次は毎日LeetCodeもしくはAtCoderの過去問を毎日解こうかなと思ってます。

数学

数学は毎回確認しては忘れてを繰り返しているので毎日少しでも触れる時間を持った方がよいと考えて1月から毎日5分、大学新入生のための数学入門 増補版 をやりました。毎日5分なので1年かけて1冊終わった感じです。1日5分でも学習できるし、毎日触れている方が忘れにくい実感があったので今後も 石村 園子さんのやさしく学べるシリーズ をやるつもりです。

絵を描く

数学と同じ感じで以前から絵を描けるようになりたかったので毎日5分〜10分絵を描く時間を持つようになりました。最初はDAISOに売っている 3歳〜6歳向けの本 から始めて、鉛筆一本ではじめる光と陰の描き方 ロジカルデッサンの技法 をやり、今は 3ステップで らしく描ける 伝わる絵の見本帖 ロジカルデッサンの技法 のイラストを1日1個模写してます。上達している実感は特にありませんが、単純に楽しいですし、美術展などで絵を見る際も以前よりも気になる点が増えてたりします。

まとめ

ふりかえってみると、ありがたいことに2023年も密度の高い1年だったと思います。2024年も新しいことを経験できるといいなと思ってます。

グループ・コーチング入門

サービス開発の参考になりそうなので読みました。1名ではなく複数名を対象としたコーチング手法について説明しています。管理職が部下に対して適用することを前提として書かれているので、管理職もしくはチームサブリーダー的な人におすすめの本だと思いました。

本書の構成としてはまず「一人対一人」のコーチングとグループコーチングの違いについて説明します。具体的にはグループコーチングは「一人対複数」で行うコーチングです。より厳密には「企業の管理職が、自分の担当する部門の業績を上げるために、原則的には一人の部下に対して複数の部下の前でコーチングをすること」になります。次にグループコーチングの具体的な進め方について説明します。テーマの設定やメンバーの選定、どのようにグループコーチングのミーティングを開くか、どのような質問をするか、進行中の打ち合わせの状況ごとにどう対応するかなど具体的に説明します。次に傾聴・観察・承認というコーチングの基本スキルをグループコーチングにおいてどのように発揮すればよいか説明します。その次は質問についてグループコーチングでは複数名参加者がいるためどのように質問をすればよいか説明します。最後にケーススタディを3つ紹介します。それぞれ各参加者のやりとりまで書かれており具体的です。最後はQ&Aとチェックシートになっています。具体的な目次は以下のとおりです。

自分たちが提供しようとしているサービスと具体的なアプローチが異なるので、そのままは使えませんでしたが、同じように複数名を対象としてコーチングの手法を適用しようとしているという点で参考になりました。また出版された時期が2007年であり若干昔であることと、日経文庫から出版されていることもあって一般的なパーソナルコーチングの書籍と比べると管理職側の意図や設計が重視されている印象を持ちました。一方で、いわゆるマネージャーというロールにおいて複数名のメンバーに対してコーチング的手法を適用するという観点で見ると、かなり実務に沿った具体的な手法と進め方について説明されていたと思います。ですのでマネージャー職の人はコーチングについて学ぶ際にこの本も読んでおくと良いと思いました。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則

15年近く前に読んで、また読み直したくなったので買い直しました。改めて読んでいい本だと思いました。エグゼクティブ・コーチを専門としていたマーシャル・ゴールドスミスがエグゼクティブ向けにどのようなコーチングをしていたかが書かれています。邦訳のタイトルがアレですがオリジナルは「What Got You Here Won't Get You There: How successful people become even more successful」です。要は今までの強みがさらなる成功に繋がらないというタイトルであり、実際にそういう内容です。書いてあることは一般的に言われるような内容ばかりですが、なぜそれが問題であり、どうやって克服すればいいかについて明瞭に書かれています。また説明する際も筆者のクライアントの事例をベースとしているため読みやすいです。自分の中に直したいと思っている箇所がある人は読んでみるとよいと思います。

本書の構成としては4つのセクションに分かれています。セクションⅠは成功することでいままでのやり方に固執することになり自分の問題点について直すことできなくなる理由について説明します。次にセクションⅡでやめるべき21の悪い癖について説明します。セクションⅢでは悪い癖を解消する手法について紹介します。最後のセクションⅣで自分を変える際の注意点について説明します。目次は以下のとおりです。

  • セクションⅠ 成功で厄介なこと
    • 1 エグゼクティブ・コーチとは何か
    • 2 成功したほど、変化を嫌う理由
  • セクションⅡ あなたをトップの座から遠ざける20の悪癖
    • 3「やめること」の大切さ
    • 4 20の悪い癖
    • 5 21番目の癖ー目標に執着しすぎる
  • セクションⅢ どうすればもっとよくなれるのか
    • 6 フィードバック
    • 7 謝罪する
    • 8 公表する。宣言する
    • 9 聞くこと
    • 10 「ありがとう」と言う
    • 11 フォローアップ
    • 12 フィードフォワードを練習する
  • セクションⅣ 「自分を変える」ときの注意すべきポイント
    • 13 「自分を変える」ときのルール
    • 14 部下の扱い方

去年コーチングについて勉強していた際に、若い頃に読んだコーチング関連の本を何冊か思い出し、その中でも本書の内容がよかったので読み直したいと思って探していました。ただ、本のタイトルを忘れていたので探すのが結構大変でした。何より2007年の本なので廃刊になっており本屋で探しても置いてないし、電子版も存在しないので結局中古を買いました。 → 2024年に文庫版が発売され、Kindleでも購入できるようになってました

読み直せてすごく満足ですし、最低でも年に1回は読み直すつもりです。出世とかエグゼクティブとかに関係なく自分で課題だと思っている点の修正に使える本だと思います。読み直した際も自分の悪い癖について向き合うことになり、ほんとどうにかしないとなという気持ちになりました。定期的に読み返して対処していければと考えています。

Mistel BAROCCO MD770 JPをMacで利用する際の設定手順

前々から分離型キーボードが気になっていて、Mistel BAROCCO MD770 JP(日本語配列) キーボード をつい勢いで買ってしまいました。まだ買ったばかりなのでどの程度肩こりに効果があるのかは不明です。Macで利用できるようにするまで試行錯誤したので、設定手順についてメモしておきます。

前提

  • MacBook Pro (13-inch, M1, 2020) 日本語キーボード
  • Monterey Version: 12.6.3
  • Mistel BAROCCO MD770 JP (Ver.MD770JPALL 2107)
  • Karabiner-Elements 14.11.0

設定手順

  1. BAROCCOの Fnキー のリマップ
  2. Karabiner-Elementsでキーのリマップ

1. BAROCCOの Fnキー のリマップ

BAROCCOは Fnキー をマクロプラグラミング等に利用する特殊なキーとしているため、初期状態だと 右Windowsキー(右Cmdキー)として利用できません。そのためは好みのキーに Fnキー をリマップします。私は 全角/半角キーキー にリマップしました。手順は マニュアル を参照してください。Fnキー のリマップにはレイヤーの指定が必須のため、まずレイヤー1〜3のどれかに変更しないければいけないのが注意点です。私はレイヤー1に変更してリマップしました。

※ その後、Pnキー + TABキー を偶然タイプしてmacOS 風最適化モードに切り替わり原因調査に苦労したので追加で Pnキー を Insキー にリマップしました。。

2. Karabiner-Elementsでキーのリマップ

Karabiner-Elements で以下のようにキーをリマップします。

Karabiner-Elements をインストールしていない場合は Installation | Karabiner-Elements に沿ってインストールします。バイナリは brew install --cask karabiner-elements でもインストール可能です。私は brew コマンドを利用しました。

リマップ手順は MacでWindowsキーボードを使う!Karabinar-Elementsの設定法 - ビビーノ・ワイン が分かりやすかったです。

備考

macOS 風最適化モード

BAROCCOにはmacOS 風最適化モードが存在します。Karabiner-Elementsでリマップする内容とほぼ差がないのですが1点だけ F1 〜 F12キー が通常のファンクションキーではなく音量の制御等が行えるキーに割り当てられています。そのため通常のファンクションキーとして利用するには Fnキー を押しながら F1 〜 F12キー を操作する必要があります。Mac側の設定で外部接続するキーボードを標準ファンクションキーとする設定を有効にしてもこの挙動はかわりませんでした。。そのため今回の設定手順を探すことになりました(´・ω・`)

英字キーボードとして認識される?

トリガーが不明ですが急に英字キーボードとして認識されたのか記号が日本語キーボードの位置と異なるものが入力されるようになりました。ただ一度USBのケーブルを抜き挿しすると挙動が戻ったので調子が悪いときはケーブルを挿し直すとよいのかもしれません。

最後に

キーボードを肩幅に合わせて配置できるようになったので自然と姿勢も気をつけるようになりました。肩こりに効きそうで期待大です!

外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント

社内で読書会があったので読んでみました。200ページ強ですぐ読めます。プロジェクトマネジメントの具体的なやり方というよりはプロジェクトマネジメントに取り組む上で意識するべき観点をまとめたような内容です。そのためどういう観点を意識するとよりスムーズにプロジェクトマネジメントができるか知りたい人におすすめの本だと思いました。

本書の構成としては4章に分かれています。第1章はプロジェクト開始前、第2章はプロジェクト序盤、第3章はプロジェクト中盤以降、第4章はリーダーシップについて説明しています。それぞれの章の中で筆者が経験から学んだ「すべし」と「すべからず」のポイントについて解説します。例えば1章の最初に説明するポイントは 「勝てるプロジェクト」を見極める です。目次は以下のとおりです。

  • 第1章 プロジェクトマネジメントは始まる前にすべてが決まる
  • 第2章 プロジェクト序盤に注意するべきこと
  • 第3章 プロジェクトをうまく「着地」させる
  • 第4章 計画を成功に導くリーダーシップ

全体的に読みやすいですが、説明をする際に他の書籍や文献などの引用する多様する印象があります。また、引用する際は特に補足はしないので、その内容を知らない場合に却って何をいいたいのかわかりづらい箇所がありました。あと、その箇所で説明する内容と直接関係しない筆者の主張がたまに述べられていて、話がそれるのでわかりづらくなる箇所がありました。

筆者の主張の大半は同意するものですし、半分ぐらいは自分でもやっていたことでした。そのため、自分のアプローチと同じ考え方の人がいることをしれて安心しました。またやっていなかった内容のうち一部は試してみたいと思えるものもあったので参考になりました。機会があれば試してみるつもりです。

ゾンビスクラムサバイバルガイド

スクラムについてもう少し書籍を読んでみようと思って読みました。スクラムを実践するなかで陥る問題とその対処方法について説明しています。チームで意見を出す方法が多数紹介されているので、実際にスクラムでプロジェクトをやっている人だけでなくチームで意見を出すファシリテーション手法を学びたい人にも参考になると思いました。

本書の構成はとしてはまずは1部でゾンビスクラムとその具体的な症状について説明します。次に2部〜5部で主要な症状毎に原因と解消に向けて試せる各種手法(実験)を紹介します。目次は以下のとおりです。詳細な目次は ゾンビスクラムサバイバルガイド - 丸善出版 理工・医学・人文社会科学の専門書出版社 を参照してください。

  • 第1章 はじめに
  • 第2章 応急処置キット
  • 第1部 (ゾンビ)スクラム
  • 第2部 ステークホルダーが求めるものを作る
    • 第5章 症状と原因
    • 第6章 実験
  • 第3部 速く出荷する
    • 第7章 症状と原因
    • 第8章 実験
  • 第4部 継続的に改善する
    • 第9章 症状と原因
    • 第10章 実験
  • 第5部 自己組織化する
    • 第11章 症状と原因
    • 第12章 実験
  • 第13章 回復への道

非常に実践的な実験が多く紹介されていて参考になりました。スクラムに関係なくチームでアイディアを出したり合意形成を得る際に利用できそうな印象でした。後は自分たちでできることを探すというコンセプトだからだと思うのですが、基本的にボトムアップな手法が紹介されている印象でした。スクラムらしいと言えばスクラムらしいのかもしれませんが。

これまでに何冊かスクラム関連の書籍を読み、実際に案件でもスクラムを適用していて思うのは、ビジネス自体の構造がスクラムのコンセプトにあっていない場合、開発だけスクラムにしてもうまく回らないだろうなという点です。本書はそのような制約があっても少しずつ現場から変えられるところを探すというコンセプトなので、それはそれで大切なことだと思いました。一方で、スクラムはあくまでも手法なのでビジネスの構造や状況に合わせて手法も柔軟に対応するほうが合理的なのかなと思いました。