グループ・コーチング入門

サービス開発の参考になりそうなので読みました。1名ではなく複数名を対象としたコーチング手法について説明しています。管理職が部下に対して適用することを前提として書かれているので、管理職もしくはチームサブリーダー的な人におすすめの本だと思いました。

本書の構成としてはまず「一人対一人」のコーチングとグループコーチングの違いについて説明します。具体的にはグループコーチングは「一人対複数」で行うコーチングです。より厳密には「企業の管理職が、自分の担当する部門の業績を上げるために、原則的には一人の部下に対して複数の部下の前でコーチングをすること」になります。次にグループコーチングの具体的な進め方について説明します。テーマの設定やメンバーの選定、どのようにグループコーチングのミーティングを開くか、どのような質問をするか、進行中の打ち合わせの状況ごとにどう対応するかなど具体的に説明します。次に傾聴・観察・承認というコーチングの基本スキルをグループコーチングにおいてどのように発揮すればよいか説明します。その次は質問についてグループコーチングでは複数名参加者がいるためどのように質問をすればよいか説明します。最後にケーススタディを3つ紹介します。それぞれ各参加者のやりとりまで書かれており具体的です。最後はQ&Aとチェックシートになっています。具体的な目次は以下のとおりです。

自分たちが提供しようとしているサービスと具体的なアプローチが異なるので、そのままは使えませんでしたが、同じように複数名を対象としてコーチングの手法を適用しようとしているという点で参考になりました。また出版された時期が2007年であり若干昔であることと、日経文庫から出版されていることもあって一般的なパーソナルコーチングの書籍と比べると管理職側の意図や設計が重視されている印象を持ちました。一方で、いわゆるマネージャーというロールにおいて複数名のメンバーに対してコーチング的手法を適用するという観点で見ると、かなり実務に沿った具体的な手法と進め方について説明されていたと思います。ですのでマネージャー職の人はコーチングについて学ぶ際にこの本も読んでおくと良いと思いました。