チームトポロジー

たまに周囲でタイトルを聞くのと組織の構造とそのパターンについて学べそうな印象だったので読みました。認知負荷を一定以下に下げようという考え方は理解できたのですが具体的なチームの組み合わせパターンについては理解が追いつきませんでした。ある程度の規模のシステムでチーム編成について悩んでいる人は読んでみても良いかもしれません。また、【資料公開】30分で分かった気になるチームトポロジー | Ryuzee.com を読んで判断するのもいいと思います。

本書の構成としては3部構成になっています。PART Ⅰではまずコンウェイの法則と逆コンウェイの法則を説明し、次に認知負荷を説明します。その上で全体のフローを早くすることを目的にチームの認知負荷を一定以下にするため、チームのサイズとチームが扱うドメインを絞ることについて説明します。PART Ⅱではチームのトポロジーについて説明します。まずはDevOpsトポロジーとSREチームについて説明し、次に本書として定義する4つのチームであるストリームアラインドチーム、イネイブリングチーム、コンプリケイテッド・サブシステムチーム、プラットフォームチームについて説明します。最後にシステムを自然に分割できる節理面について紹介します。具体的にはビジネスドメインのコンテキスト境界や規則遵守、変更のケイデンスなどです。PART ⅢではPART Ⅱで紹介した4つのチームのインタラクションモードであるコラボレーション、X-as-a-Service、ファシリテーションの3つのモードについて説明します。次にチームのトポロジを変更することで課題の解決に取り組んだ事例を紹介し、最後にチームトポロジーを利用する際にどのようなアプローチで取り組めばよいか説明します。目次は以下のとおりです。

  • PART Ⅰ デリバリーの手段としてのチーム
    • Chapter1 組織図の問題
    • Chapter2 コンウェイの法則が重要な理由
    • Chapter3 チームファースト思考
  • PART Ⅱ フローを機能させるチームトポロジー
    • Chapter4 静的なチームトポロジーチームのアンチパターン
    • Chapter5 4つの基本的なチームタイプ
    • Chapter6 チームファーストな境界を決める
  • PART Ⅲ イノベーションと高速なデリバリーのため にチームインタラクションを進化させる
    • Chapter7 チームインタラクションモード
    • Chapter8 組織的センシングでチーム構造を進化させる
    • Chapter9 まとめ:次世代デジタル運用モデル

コンウェイの法則と逆コンウェイの法則、認知負荷までは理解できるし、そこを踏まえてチーム編成を考える必要があるというのもその通りだなと思うのですが、その後に出てくる4つのチーム編成と3つのインタラクションモードが適切なのかどうかは実感が湧きませんでした。またこのチームトポロジーのアプローチがソフトウェアシステムに閉じるものなのかそれとも組織一般に適用できるものなのかもよくわかりませんでした。とはいえ、1つのアプローチを知れたので、似たようなテーマを扱っている書籍を読む際にも比較できるでしょうし、今後組織編成について取り組む機会があれば再度読み直す気がしています。