2022年英語学習ふりかえり
去年に引き続き今年も英語学習についてふりかえりたいと思います。なお、去年のふりかえりは 2021年英語学習振り返り - n3104のブログ です。
前提
昨年のふりかえりからの引用になりますが、2021年末は以下のような状況でした。
- 英語学習を継続した。毎日1時間以上を継続した。合計で400時間ぐらいやった。4年間の合計で1500時間ぐらいになったはず。
- 2月にプロジェクトが終わって職場で英語を使う機会が減った。ただ、英語の技術ブログとかはさらっと目を通したりもできるようになったし、チャットでのやり取りも気にならなくなったし、英語で同僚と会話する際も言いたいことがすぐに言えなくても別の言い回しで説明するみたいなこともできるようになった。
- とはいえ、9月に転職して職場では読む以外に英語を一切使わなくなったので、衰えている気がする。。
- iKnowはマスターアイテムが8500になった。1年で3000ぐらい増えた。
- 職場で英語を使う機会が減ったので2月から平日はオンライン英会話を再開した。転職後も続けていて、1年で180回ぐらいやった。
- 教材はDaily Newsになった。予習無しでやって、ディスカッションもある程度できる感じ。
- 題材によっては知らない単語が10個ぐらい。簡単なものだと全部知ってるぐらいになった。
- レッスン後のフィードバックは内容を理解できてるし、文法も簡単な文章だけど間違いはない、発音はしっかりしてるという感じ。
- 講師の話している内容は概ね理解できる。たまに聞き取りづらい講師がいると分からなくて聞き返すこともあるけど、そういうやり取りも練習になると思ってあまり同じ講師とばかりレッスンはしないようにしている。
- 一番難しいのは記事の要約。3ヶ月ぐらい掛けてやっとコツが分かってきたが、まだまだ慣れていない。
- 文法は困っていなかったが、自分が知らない構文がないか確認する観点でEnglish Grammar in Useを10月からやり始めた。
- Unit80ぐらいまで来たが、全く知らない構文はない感じだった。ただ、細かな使い分けは覚えられる印象もなかった(^_^;)
- リスニングは去年よりは聞き取れる量は増えているような気がするが、正直良くわからない。とりあえずシャドーイングはゆるく継続している。
- シャドーイングに関しては一番の課題は口が回らないことだと思っている。そのためある程度長い文章の音読練習をした方が良さそう。
- 英作文はやらなくなったのでピーク時よりおそらく下がっている気がする。とはいえ英会話を続けているので極端には下がらない気もしている。
- 会話はできるが、ドキュメントを書いていないので、そういう意味では下がっていると思う。
- 発音は特に成長していない気がする。もともと発音は全体の中で一番できていて、実際レアジョブのスピーキングテストでも発音の成績が一番よかった。
- リーディングは去年より早く正確に読めるようになったと思う。技術文書であれば概ね読める。一方でいまハリーポッターを読んでいるが理解度は7割ぐらいで、知らない単語とか言い回しが結構あるのでまだまだ先は長い印象。。
結果
2022年末の状況は以下のようになりました。英語学習5年目である程度基礎はできたのかなと思うようになりました。
- 英語学習を継続した。毎日1時間以上を継続した。
- iKnowはマスターアイテムが9500になった。1年で1000増えた。
- 単に単語を知っているだけではだめで、英会話で使えるようになるには例文を自分の言葉として言えるぐらいなじませる必要があると思うようになった。
- オンライン英会話で言いたいことを自然に言える範囲が増えた気がする。
- Daily Newsはサマリーのやり方も分かったが、詳しい分野とそうでない分野で極端に理解度やディスカッションに差が出るので一旦止めた。
- 自然に言える範囲を増やすため実用英会話のLevel5に変えた。文法や単語は簡単でリスニングとロールプレイが手間取ることがある感じ。リスニングはメモを取るのが追いつかない。ロールプレイはロールプレイ自体が苦手なので英語以前に日本語でも苦労しそうな印象。。
- 文法は困らないレベルにはなったと思う。実際、オンライン英会話のレッスンでも概ね文法は特に問題ないとフィードバックをもらう。
- English Grammar in Useを最後まで読み終えて、苦手な構文は何度か繰り返し復習したので底上げされたはず。
- とはいえ、普段あまり使わない言い回しは自然に使えず文法を思い出そうとして止まってしまうので、あくまでも困らないという程度。
- リスニングは去年よりは聞き取れる量は増えているような気がする。とはいえ、オンライン英会話で聞き取りにくい講師だと聞き取れないこともある感じ。
- 発音は成長した気がする。発音の解像度が上がってより細かな部分を修正できるようになった気がする。
- iKnowをやっていて発音記号も音から想像が付くし、口の形や舌の動かし方もより自然になった気がする。
- 特にルールを勉強していないが、2つの単語が連なる際の音がなんとなくわかるようになった。
- リーディングはそんなに成長していないかも。ハリーポッターを1年読み続けているが8割ぐらい理解できる印象は変わっていない。測っていないが、読む速度は少し上がっているかもしれない。
- 仕事として使う分には困らないぐらいのレベルになったと思う。Redshift re-invented読書会で英語の論文を普通に読めるようになっていたし、AWS認定試験も英語で受けて解けたので。
- ライティングは英語の文章を書く機会がないので測定不要。。
やり方
平日はオンライン英会話を30分、後は他の教材を合計30分ぐらいで、合計で毎1時間勉強していました。具体的には以下をやりました。
- iKnow!: 平日は10分、土日は30分。単語数を増やすよりも実際に英会話で使える単語や言い回しを増やすため、例文が口に馴染むまで何度も練習するように変えた。
- オンライン英会話: 平日は復習込みで30分。いくつかコースを試したが、最終的に実用英会話に落ち着いた。Level5のレッスンを2回やるようにした。2回やるのは復習する時間が取れないのでレッスンを2回やることで復習とした。おかげでレッスンの内容の定着度合いは上がったと思う。また、ビジネス向けのプログラムに申し込んで3ヶ月ほど1回50分のロールプレイのセッションを20回ほどやった。
- 多読: 平日は10分、土日は20分音読する。ハリポッターを去年の10月から読み始めて、いま5巻の終わりの辺り。
- 文法: English Grammar in Use Book with Answers and Interactive eBook: Self-Study Reference and Practice Book for Intermediate Learners of English を1日1Unit、10分ぐらいやって最後まで終わり、Additional exercisesとStudy guideまで終えた。その後Study guideを3周やって一旦終わりにした。
- スピーキング: English Grammar in Useの後に 英会話は筋トレ。 中2レベルの100例文だけ! 1か月で英語がスラスラしゃべれる。 を1日10分やった。Step1の基礎トレーニングを3周して、Step2とStep3をやっている。
進め方は去年に引き続き毎月KPT形式でその月の英語学習についてふりかえりを行い、翌月の学習内容を調整するようにしていました。12ヶ月間の変化としては以下のような感じでした。
- 1月
- 2月
- 特記事項なし。
- 3月
- iKnowで9000アイテム達成。
- ハリポタが前より面白くなってきた。日本語の小説を読んでる感覚と同じぐらいのめり込む感じになってきた。
- Daily News Articleはだいぶ慣れた感じになった。
- 4月
- 4月になって生活リズムが変わって、シャドーイングを中断した。
- English Grammar in useは定着の観点でStudy guideで答えが分からなかったUnitを確認してひたすら復習するのをやり始めた。
- Daily News Articleのディスカッションは以前よりは自分の言いたいことを伝えられるようになった気がする。
- ハリポタ3巻を読み終わった。
- 5月
- iKnowのトピック別!ニュース英語をここ数ヶ月ずっとやっていて、政治とか経済の単語と例文をやるのでDaily News Articleに役立っている印象だった。
- 当たり前だけど、Daily News Articleはそのニュースの分野に知見があるかどうかで話せる量が大きく変わる印象。
- 6月
- Redshift re-invented読書会で英語の論文を普通に読めるようになっていることを確認できた。
- 7月
- 8月
- iKnowで9500マスターアイテム達成。
- レアジョブはConversation Questionsに変えてみた。
- ハリポタ4巻を読み終わった。
- 9月
- とにかく考えずに話せる言い回しを増やすをテーマに色々学習内容を調整してみた。
- それとは別にビジネス英会話のロールプレイのトレーニングに申し込んだ。社内的に条件を満たしていたらしい。
- そういえば、最近発音がより自然になった気がする。単語と単語を繋いで発音する際のルールを特に勉強してないけど、とにかく例文を聞いて実際に発音するを繰り返した結果なんとなくわかるようになった気がする。
- 10月
- 11月
- やはり考えずに話せる量が増えた気がする。英会話は筋トレの影響が大きいのかもしれない。ただ、普段慣れていない言い回しはどう言えばよいかわからず how do I say... と言いながら止まってしまう。
- 久しぶりに開発案件に入ったらブランチ名を付ける際に文法的に間違っているか不安にならなくなったし、システムで利用する用語(日本語)に対応する英単語も自然にわかるようになったし、変な英単語やメソッド名に違和感を覚えるようになっていた。
- 12月
- レアジョブのスピーキングテストは手応えがぜんぜんなかったが、今までで一番良い結果だったので、なんだかんだ地力が上がっている感じだった。
- 総合がB1なのは変わらないが、個別のスキルでB2が2つ、B1が2つで今までで一番よかった。
- レアジョブのスピーキングテストは手応えがぜんぜんなかったが、今までで一番良い結果だったので、なんだかんだ地力が上がっている感じだった。
来年
とりあえず来年も1日1時間の英語学習を継続するつもりです。ただ、もう少しやり方は変えるかもしれません。現状、英語を仕事で使う機会がないので、趣味として継続している状況です。また、5年間である程度基礎もできた気がします。そろそろ劇的に伸びるみたいなのはなくて地道に自然に言える範囲を増やすしかないのかなと思っています。なので趣味と割り切って動画を観るとか試してみてもいいかなと思っています。
SCRUMMASTER THE BOOK
スクラムでやっている案件に入っているので SCRUM BOOT CAMP THE BOOK の次に読んでみました。スクラムマスターの目指す方向性や世界観が知れて参考になりました。現在スクラムマスターをやっている人向けに書かれている本ですが、スクラムマスターというロールが何を目指しているのか知りたい人は読んでみても良いと思います。
本書の構成としてはまずスクラムマスターの役割について説明します。次にスクラムマスターとしてチームのいろいろな課題に取り組む際の心理状態モデル(ティーチングやファシリテーションなど)とその使い分けについて説明します。#スクラムマスター道ではスクラムマスター同士が連携して組織全体にどのように関わっていくかという最終的に目指す方向性について説明します。以降は偉大なスクラムマスターになっていくためにどのように取り組んでいけばよいか具体的な場面とスキルについて紹介しています。
また本書は随所にエクササイズが存在します。エクササイズは本文で扱っている内容について実際に読者がどのような状況であるかを記入するものです。記入することを通じてスクラムマスターである自分自身とチームの状況をセルフアセスメントすると共に、より深く本文について考えさせるような内容になっています。
目次は以下のとおりです。詳細な目次は 商品説明ページの目次タブ を参照してください。
- CHAPTER 1 スクラムマスターの役割と責務
- CHAPTER 2 心理状態モデル
- CHAPTER 3 #スクラムマスター道
- CHAPTER 4 メタスキルとコンピタンス
- CHAPTER 5 チームを構築する
- CHAPTER 6 変化を実装する
- CHAPTER 7 スクラムマスターの道具箱
- CHAPTER 8 私は信じています
自分自身はスクラムマスターではないのでエクササイズはやっていませんし、現時点で実感のわかない内容もそれなりありました。一方でプロジェクトのスクラムマスターがどのような意図で日々の働きかけを行っているのか、どこを目指しているのかということを把握する上では非常に参考になりました。今後スクラムマスターの役割について理解を深める必要が出た際に再度読み直す気がしています。
チームトポロジー
たまに周囲でタイトルを聞くのと組織の構造とそのパターンについて学べそうな印象だったので読みました。認知負荷を一定以下に下げようという考え方は理解できたのですが具体的なチームの組み合わせパターンについては理解が追いつきませんでした。ある程度の規模のシステムでチーム編成について悩んでいる人は読んでみても良いかもしれません。また、【資料公開】30分で分かった気になるチームトポロジー | Ryuzee.com を読んで判断するのもいいと思います。
本書の構成としては3部構成になっています。PART Ⅰではまずコンウェイの法則と逆コンウェイの法則を説明し、次に認知負荷を説明します。その上で全体のフローを早くすることを目的にチームの認知負荷を一定以下にするため、チームのサイズとチームが扱うドメインを絞ることについて説明します。PART Ⅱではチームのトポロジーについて説明します。まずはDevOpsトポロジーとSREチームについて説明し、次に本書として定義する4つのチームであるストリームアラインドチーム、イネイブリングチーム、コンプリケイテッド・サブシステムチーム、プラットフォームチームについて説明します。最後にシステムを自然に分割できる節理面について紹介します。具体的にはビジネスドメインのコンテキスト境界や規則遵守、変更のケイデンスなどです。PART ⅢではPART Ⅱで紹介した4つのチームのインタラクションモードであるコラボレーション、X-as-a-Service、ファシリテーションの3つのモードについて説明します。次にチームのトポロジを変更することで課題の解決に取り組んだ事例を紹介し、最後にチームトポロジーを利用する際にどのようなアプローチで取り組めばよいか説明します。目次は以下のとおりです。
- PART Ⅰ デリバリーの手段としてのチーム
- Chapter1 組織図の問題
- Chapter2 コンウェイの法則が重要な理由
- Chapter3 チームファースト思考
- PART Ⅱ フローを機能させるチームトポロジー
- Chapter4 静的なチームトポロジーチームのアンチパターン
- Chapter5 4つの基本的なチームタイプ
- Chapter6 チームファーストな境界を決める
- PART Ⅲ イノベーションと高速なデリバリーのため にチームインタラクションを進化させる
- Chapter7 チームインタラクションモード
- Chapter8 組織的センシングでチーム構造を進化させる
- Chapter9 まとめ:次世代デジタル運用モデル
コンウェイの法則と逆コンウェイの法則、認知負荷までは理解できるし、そこを踏まえてチーム編成を考える必要があるというのもその通りだなと思うのですが、その後に出てくる4つのチーム編成と3つのインタラクションモードが適切なのかどうかは実感が湧きませんでした。またこのチームトポロジーのアプローチがソフトウェアシステムに閉じるものなのかそれとも組織一般に適用できるものなのかもよくわかりませんでした。とはいえ、1つのアプローチを知れたので、似たようなテーマを扱っている書籍を読む際にも比較できるでしょうし、今後組織編成について取り組む機会があれば再度読み直す気がしています。
SCRUM BOOT CAMP THE BOOK
最近参画した案件でスクラムを採用しているので読みました。スクラムに登場する用語や実際に開発する際に起きる疑問点について説明しているので非常にわかりやすかったです。スクラムに興味がある方は読むことをおすすめします。
本書の構成としては基礎編と実践編の2部構成です。基礎編ではアジャイル開発とスクラムの関係から説明し、スクラムで登場するプロダクトバックログやプロダクトオーナー、スプリントレビューやスプリントプロスペクティブのような用語の説明をします。実践編では社内の営業支援システムを開発するプロジェクトの立ち上げからリリースまでをストーリー仕立てで説明しながら、見積もりや進捗管理、各種スクラムイベントのやり方について説明します。
実案件と対比しながら読んだので非常にわかりやすかったです。案件の中でもスクラムマスターが個々のイベントの意図について説明してくれていたのですが、やはりやってみないとわかりにくい部分もありますし、あのイベントはこういう意図でやっていたんだなという感じでふりかえりながら読めてよかったです。
チームメンバーのスキル差についてどう取り組んだらよいかとか大規模プロジェクトにどのように適用したらよいかという点についても少しですが記述があったのもよかったです。結局はフレームワークと言うか手法であり考え方なので、実際に使いこなせるようになるには経験値を積むしかないし、試行錯誤するしかないんだなということに気づけたのもよかったです。
マスタリングTCP/IP 入門編(第6版)
AWS Certified Advanced Networking(ANS)を受験する上でネットワークの基礎から学んだ方がよいかなと思って読みました。TCP/IPの歴史と仕様について学べます。TCP/IPの歴史に興味がある人や仕様について網羅的に学びたい人におすすめします。
本書の構成としてはまずはコンピューターネットワークが生まれた歴史的背景から説明します。次にプロトコルという言葉の定義について説明してTCP/IPが生まれた背景とOSI参照モデルとTCP/IP階層モデルの関係について説明します。そこからはOSI参照モデルに沿ってデータリンク層から順番に各層のプロトコルについて説明します。最後にセキュリティ関連の各種用語の説明をします。主要な目次は以下のとおりです。
- 第1章 ネットワーク基礎知識
- 第2章 TCP/IP基礎知識
- 第3章 データリンク
- 第4章 IPプロトコル
- 第5章 IPに関連する技術
- 第6章 TCPとUDP
- 第7章 ルーティングプロトコル(経路制御プロトコル)
- 第8章 アプリケーションプロトコル
- 第9章 セキュリティ
- 付録
TCP/IP関連の基礎について説明しているので全体の6割ぐらいは知ってるでした。とはいえ、網羅的に非常にわかりやすくまとまっていたので知識の整理になりましたし、今後も忘れた際に用語の定義とか関係性の確認に使えそうなので読んでよかったと思ってます。ただ、ANS対策という観点では基礎的な内容だったので、この書籍の内容を基礎に他の書籍でもう少し学習するつもりです。 (ルーティング周りを学びたいのでルーティング編ですかねー)
Evidence-Based Management Guide
Evidence-Based Management Guide | Scrum.org
チーム内で 日本語訳版 の読書会をやったので一緒に読みました。全体で16ページなのでさくっと読めます。スクラムには詳しくないのですが、システムについて定量的な指標でPDCAを回そうとする際の参考になりそうな印象を持ちました。
本書の構成としてはまずEBMガイドの目的を説明し、次にEBMを用いてどのように組織のゴールを達成するか説明します。そしてゴールを達成するためにどのような指標を用いればよいか説明し、最後にどのようにしてゴール達成に向けたステップを積み重ねればよいかを説明しています。目次は以下のとおりです。
- EBMガイドの目的
- 複雑な世界において経験主義を用いて組織のゴール達成を支援するEBM
- 価値のあるものを理解する
- ゴール達成に向けた小さなステップの積み重ね
- 用語集
- 付録: 重要価値指標(KVM)の例
全体で16ページなので内容としてはかなり抽象的でした。ざっくり言えばPDCAを回しましょうと言っているだけにも見えます。一方で、指標として収益や顧客満足度のようなビジネスの指標だけでなく、リリースの頻度や本番環境のインシデント数のようなシステムの指標も扱っているのは印象的でした。システムを定量的に評価する際にビジネスの指標とシステムの指標をリンクさせるのは苦労するので、EBMに取り上げられている指標を参考にまずは数値を取って可視化するだけでも発見がありそうな印象的でした。そのため、機会があれば試してみたいと思いました。
Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR
ORKについて調べたいと思ったので読みました。非常によかったと思います。OKRをGoogleに導入し、その後多数の企業に導入したジョン・ドーア氏によるOKRの紹介です。OKRの導入方法だけでなく多数の事例が載っており非常に参考になります。OKRについて知りたい方は読むことをおすすめします。
本書の構成としてはOKRの導入におけるポイントを説明した上で、そのポイント説明するための事例を紹介する流れになっています。具体的には①優先事項にフォーカスし、コミットする、②アラインメントと連携がチームワークを生む、③進捗をトラッキングし、責任を明確にする、④驚異的成果に向けてストレッチするの4点です。詳細な目次は以下の通りです。
- 第1章グーグル、OKRと出会う
- 第2章OKRの父
- 第3章クラッシュ作戦――インテルのケーススタディ
- 第4章OKRの威力①優先事項にフォーカスし、コミットする
- 第5章フォーカスする――リマインドのケーススタディ
- 第6章コミットする――ヌナのケーススタディ
- 第7章OKRの威力②アラインメントと連携がチームワークを生む
- 第8章アラインメント――マイフィットネス・パルのケーススタディ
- 第9章連携する――インテュイットのケーススタディ
- 第10章OKRの威力③進捗をトラッキングし、責任を明確にする
- 第11章トラッキング――ゲイツ財団のケーススタディ
- 第12章OKRの威力④驚異的成果に向けてストレッチする
- 第13章ストレッチ――グーグル・クロームのケーススタディ
- 第14章ストレッチ――ユーチューブのケーススタディ
- 第15章継続的パフォーマンス管理――OKRとCFR
- 第16章年次勤務評定を廃止する――アドビのケーススタディ
- 第17章明日はもっとおいしく焼こう――ズーム・ピザのケーススタディ
- 第18章文化
- 第19章文化の変革――ルメリスのケーススタディ
- 第20章文化の変革――ボノのONEキャンペーンのケーススタディ
- 第21章これからの目標
本書を読んで印象に残ったのはOKRの設定は非常に難しく、かつ、運用を徹底しないと効果が出ないという点です。他の手法を使った場合でも同じ話だとは思うのですが、適切な目標設定ができなければ仮に達成しても部分最適に陥りますし、運用を徹底しないとストレッチゴールが機能しなくなります。ですので、本書は非常に読みやすい内容でしたが実際に自社に適用する際は試行錯誤とやり抜く覚悟が求められると思いながら読んでいました。
それにしてもOKRの考案者がアンディ・グローブ氏だとは知らなかったので驚きました。確かに HIGH OUTPUT MANAGEMENT を確認したら6章 計画化で目標と主要な結果について触れていました。HIGH OUTPUT MANAGEMENTはすごい好きな書籍なのでアンディ・グローブすごい!と改めて思いました。