30代の振り返り

最近40歳になりました。とういことで、30代を振り返ってみたいと思います。

30代の振り返り

30歳になる前に30代に達成したいと漠然と思っていたことはいつくかありました。ちょっとうろ覚えですがそれぞれの項目ごとに結果について確認したいと思います。

  • 話しかけやすい人になる -> 割とできたと思う
  • 英語力をつける -> 最低限はクリア?
  • 技術力で食べていけるようになる -> ギリギリクリア?
  • もっとビジネスよりのことを経験する -> 達成できた

話しかけやすい人になる

これはよく周囲の人に話しているのですが、20代の頃の私はちょっとアグレッシブで斜に構えたとこがあって、かつ、余裕がなかったので隙を徹底的に無くすみたいなスタイルでした。そのため、なんというか話しかけやすさに欠けていたと思っていて、これは課題だなーと思ってました。一方で当時から魅力的に感じる先輩はやはり話しやすいんですよね。で、どうしたらよいかと悩んで色々試行錯誤してました。

結果的には、30代後半にこの話をしても当時を知っている人以外は信じてくれない感じになったので、割とできたんじゃないかと思ってます(単に同僚より年上になって気遣われているだけじゃないと信じたい(^_^;))。とはいえ、もっとすごい方もたくさんいますし、最近転職して海外出身の同僚とやり取りするようになって、文化的バックグラウンドの違う人とのコミュニケーションの取り方はまったく未知の領域だと思ってます。そのため、今後もこのテーマについては気長に取り組んでいくつもりです。

英語力をつける

学生時代に一番苦手で高校時代に学年全体で最下位になったことがあるぐらいだったんですが、やはり業種的に必要になるだろうなーと漠然と思っていました。海外で働くのもかっこいいなぐらいにも思ってましたしw

結果的には、最低限はクリアしたかなという感じです。2月から転職した現職には海外出身の同僚が半分いて、打ち合わせやドキュメントは英語と日本語半々という感じです。そこで、とりあえず仕事はできていると思うので。。とはいえ、ほんと最低限という状況なので今年も毎日1時間ぐらい勉強を続けています。

英語学習は以下の順番でやりましたが、やはりまずは文法をやるべきだったと思います。基礎がないと積み上げようがないと思うので。

  • 20代は特に勉強しなかった。エラーメッセージは雰囲気で読んだりググって解決していた。
  • 30代前半に多読を試して英語を読むということへの抵抗感はなくなった。ただし、文法やボキャブラリーは勉強していないので雰囲気で読んでいるだけ。
  • 30代中盤に英語は絶対勉強するなをとにかく聞いてみた。効果があったのか不明。。
  • 3年前に簡単な文法書をとにかく読んだ。10周ぐらい。はじめて英語の語順を理解した(^_^;)
  • 2年前にDMM英会話を始めた。そこから本格的に英語を学習するようになった。英語で最低限の意思疎通はできるぐらいになった。

技術力で食べていけるようになる

20代の頃はほんと狭い世界しか知らず、技術で食べていけるのは一握りぐらいの認識しかなくて、PMをやるよりは技術職で食べていきたいなーぐらいに考えていました。SESという立場で派遣先のSIerさんで継続発注してもらえるように仕事をしつつ、片方では35歳定年説みたいなものを常に見かけていたので。とはいえ、20代後半に転職した会社で数回ですが@ITに連載を書かせてもらったり、勉強会コミュニティみたいなものに関わるようになり、すごい遠い世界だと思っていた執筆者とか登壇者が遠く離れたあちら側ではなくて意外に身近だと思うようにもなっていました。

結果的には、ギリギリクリアというところでしょうか。。なんというか技術力という言葉の定義自体が非常に難しいと思うようになりました。恐らく私は一般的には技術力はある方だと思いますし、カバーしている領域も広いほうだと思います。ただ、私自身の直近の一番長いキャリアはミドルマネジャーなんですよね。次に長いのがAWSのソリューションアーキテクトになるわけです。そのため、例えばAPI開発者という領域のプレイヤーとして経験年数相応に専門性があるかと言われると、それ単体だと足りないと評価されると思います。スキルの組み合わせとかミドルマネジャーとしであれば評価されると思うのですが。。これは実際に最近転職活動をして分かったことなので、一応サンプル数1ですがエビデンス付きですw私自身も採用をやっていたので思うのですが、やはり年齢相応に期待する専門性というのがあって、プレイヤーとして応募するならこのぐらいできて欲しいというものがあるわけです。一方で私自身はゼネラリストな職歴の積み方をしているので、色々できるのはわかるけども、プレイヤーとして専門性があるかと言われるとちょっと足りないかも?みたいな評価になっちゃうと思うんですよね。

ちなみに、ゼネラリスト指向になったのは20代後半に転職した会社で、技術に特化したキャリアというか生き方をされている方に会えたことが大きいです。プライベートも含めてとにかくコーディングしたりOSSとかコミュニティ活動している人を見て、同じ生き方は無理だと諦めました。とはいえ技術を学ぶこと自体は好きだったので、現在も無理はしない範囲で学んでいます。楽しいですしねw当時はかなり悩んだのですが、他の人よりも技術力があるかどうかは問題ではなくて、お客様の期待に答えられるかどうかが重要だと考えるようしました。その結果、単体のスキルではなく複数のスキルを組み合わせた総合力で勝負しようと考えて、何でも平均値以上にできるゼネラリストを目指すようになりました。

もっとビジネスよりのことを経験する

技術力で食べていけるようになりたいと思いつつ、同時にビジネスよりのことももうちょっと経験してみたいと思っていました。実家が自営業だったことも原因なのかもしれませんが、ビジネス書を読むのも結構好きだったので。それに、ちゃんとしたシステムを作るには業務側の理解も必要だと思ってましたし。何より、年齢が上がって出世するにはビジネス側もできないといけないみたいに漠然と思ってました(今は出世したいとは全く思わなくなりましたがw)。

結果的には、この中だと一番達成できたんじゃないでしょうか。20代まではSESとかSIという世界しか知りませんでしたが、30代前半に転職した際はアド系の会社に転職し、エンジニアという立場でしたが自社のサービスを提供するためにインターネット広告業界の知識を学んだりしました。その次に転職したクラスメソッドではAWSのリセールビジネスをどうやって大きくしていくかということをミドルマネジャーとして学んだりしました。サービスの立ち上げと保守運用もいくつか関わりましたし、プレイヤー指向のエンジニアが持っている経験値としては十分すぎるぐらいの量になっていると思います。

その他

特に考えていたわけではありませんが、30代に身に付けたのは以下辺りでしょうか。

Hadoop

もうやめちゃいましたが、30代前半はHadoopの追っかけをやっていました。ほんとにおもしろくて、常にワクワクしながらHadoop関連の勉強会に参加したりコミュニティの人のツイートをみたりしていたと思います。転職する際もHadoopを触れるからと聞いて転職先を選んだぐらいですしwこれがきっかけで勉強会で登壇したり、コミュニティで友人ができて一緒に読書会をやるようになってもう8年近く続けていますし、大規模分散処理周りが好物になりました。機械学習を勉強したきっかけもHadoopユースケースだったからですし。1つの技術が生まれて多くの人が巻き込まれ、ディストリビューターが生まれて、メガクラウドに市場を奪われるのを見れたのも非常によい経験だったと思っています。

AWS

これは完全に単なる偶然でした。クラスメソッド転職前にクラスメソッドに在籍する友人にどの部署に応募したらいいか相談したら、AWSの部署がいいよと言われたので応募したんですよね。当時はまったくAWSを触ったことがなかったんですけども。結果的に、がっつり6年間AWSを触ったと思います。おかげさまで、現職でAWS周りで質問があるとDevelopers.IOの記事リンクを5分ぐらいで返せるBotみたいになりましたw

機械学習

機械学習に関しては仕組みとか考え方みたいなものはある程度分かるようになったと思います。とはいえ、実務経験で言うと新人と差がないレベルだと思います。どちらかと言うと、その過程で統計や数学について多少なりとも勉強できたことが資産かなと思っています。勉強しようと思えば独学できそうだなという手応えが得られたので。一緒に読書会で教えてくれる人がいたとはいえ、自分が数学書を1冊丸々写経するみたいなことをするとは夢にも思ってませんでした。しかも約1年かけて予習含めて140時間近くやりましたし。毎晩眠い目をこすりならが写経していたのが懐かしいですw

読書会

クラスメソッド在籍時に合宿のLTで話すぐらい読書会をやるようになりました。メインの読書会は概ね月次開催で約8年続けてます。年1冊ぐらいのペースでゆるくやってますが、すごい勉強になっていると思いますし、いろいろな方に参加してもらえて雑談も含めた話をできるのがすごい楽しいし嬉しいです(^o^)単一の書籍で最長なのはSICPですね。概ね隔週でやってますが、すでに5年目に突入しており開催回数も80回を超えています。前回が 5.2.3 命令の実行手続きの生成 だったので、今年中ぐらいに読破できるといいなと思ってます(^_^;)

考え方

30代を通して身につけたものごとの考え方みたいなのは以下辺りでしょうか。ちなみに、書いているうちにかなり長くなってしまいました(^_^;)

  • 無理はしない
  • 気長に取り組む
  • 習慣化する
  • 適度に遊ぶ
  • 許す
  • 完ぺきな人はいない
  • 条件付きOKを出す
  • 前向きに考える

無理はしないというのは、やはり家族がいるのが大きかったんだと思います。20代後半に結婚して子どもを2人授かり、それまでの人生と比べてとにかく自由時間がなくなり、子どもが体調を崩すみたいな突発的なイベントが定期的に発生するようになりました。そこで自分に余裕がないとほんと辛いことになるわけでして。。そのため、なるべく自分の肉体的、精神的余裕を一定値以上残すように気をつけるようになりました。

同じく気長に取り組むというのも、自由時間が減ったことが大きいです。まとまった時間を取れなくなったので、本や勉強を細かく分けて数ヶ月とか場合によっては数年かけて学ぶようになりました。時間が取れないと言ってやらなければゼロですが、1日5分でもやれば積み重ねるとそこそこの時間になりますので。後は話しかけやすい人になるみたいなテーマをずっと気長に取り組んで、成果を感じられたのも大きいです。数年かければいろいろ変えられるんだなーと思うようになりました。

習慣化するというのは無理はしないというのと気長に取り組むというものの延長でしょうか。毎日少しずつ勉強をしていると、歯磨きと同じで勉強をしないことに違和感を覚えるぐらいの習慣に持っていけることが分かったので、その特性を積極的に活かすようになりました。具体的には最初はとにかく毎日なり毎週なり決めたタイミングに数分でもいいから決めたことをします。次に慣れてきたら少しずつ負荷を上げます。最後にもし習慣を守れなかった際に再開というか継続できるルールも作っておくという辺りでしょうか。

適度に遊ぶというのは、1日1話アニメを観るみたいなものです。どれだけ習慣化しても勉強すること自体は休憩にはならないので。そのため、息抜きとして適度に遊ぶように気をつけています。とはいえ、これが難しくてついついアニメなら2話観てしまったり、スマホゲーを始めると隙間時間はすべてゲームに使うとかになっちゃいますね(^_^;)

ということで、許すになるわけです。いろいろ決めた通りにやれなくても仕方ないよねと自分を許すように気をつけています。これがないと決めたことを守れなかったことにストレスを感じるようになっちゃうので。なのでアニメを2話観ちゃった日は、今日は疲れてたから仕方ない。明日は気をつけようとか。最終話付近だから仕方ないよね。みたいに自分を許すようにしていますw

その延長が完ぺきな人はいないになるわけでして、自分だけでなく周囲の人を許せるようになろうと考えるようになったわけです。具体的には社長とか上司って色々期待しちゃうわけですけども、同じ人間なんですよね。なので、得意分野もありますが、同じぐらい苦手な分野もあるわけです。それに、システム開発において完全にこうした方がいいという問題もあれば、どちらにもメリット・デメリットがあってトレードオフになっている問題も結構あると思います。同様に会社における各種施策とか制度もトレードオフの関係にあるものばかりなんですよね。そういうことを理解できるようになって、社長や上司に対して神様じゃないんだからチームとしてみんなで補えばいいよねみたいに考えるようになりました。

条件付きOKを出すというのは、今までのやつとは関係ありませんwいろいろな課題や要望について、まずはやれる方法を考えるというものです。条件付きとあるように、そのままだとやれないような課題や要望って割と頻繁に発生すると思うんですよね。で、そこで以前の私は割と簡単にこういう理由からやれないと回答していました。ですが、今はすぐにやれないと言うのではなくて、こういう前提とか条件であればやれますよと提案というか選択肢の形で話すように気をつけるようになりました。これはプリセールスとして営業の方と一緒に仕事をしたのが大きいと思います。営業の方って簡単にできないとは言わないんですよね。断るにしても次に繋がるように見積もりだけでも作るとか。後は提供範囲を絞ってでも提案しようとするとか。こういう姿勢ってやはり伝わるんですよね。お互い人間ですし。あと、実際に提供範囲を絞って提案しても、それはそれで喜んでもらえる場面を何度か見たことも大きいと思います。当初の要望をすべて叶えられなくても喜んでもらえるのを知ったので、まずは断るのでなくて少しでもやれる方法を考える方がよいんだなと思うようになりました。あとは話してみると、依頼してきた内容と実際にやりたかったことが一致しておらず、そこでやりたかったことに対して提供できる範囲で解決策を一緒に考えるみたいな形でうまくいくことも結構あったので。

最後の前向きに考えるは、比較的最近身につけたものだと思います。30代後半になって何というか影響力みたいなものが大きくなっていく中で、なるべく前向きな発言をしなければいけないと考えるようになっていたのですが、それはあくまでも立場としてのものでした。ただ、立場に関係なく楽しそうにしている同僚もいて、何が違うんだろうなと結構悩んだんですよね。で、自分で楽しもうとしているかどうかの違いだという結論に至りました。どうせなら前向きに考えた方が楽しいですしね。もちろん、客観的にどう考えても楽しめない状況もあるかのしれませんが、少なくとも自分で選べる状況下であれば前向きに考えるようにしようと思うようになりました。一言でいうと吹っ切れた感じですw

30代のリンクの一覧

毎年の振り返りなどのリンクは以下の通りです。

補足

  • 2008年時点はぎりぎり20代だったんですが、記録が残っていたのでついでに貼っておきました。ちょうどこの頃にはてなダイアリーとかTwitterを始めたんですよね。一応残していますが、最初は慣れてなくてあまり見返したくない黒歴史ですね(^_^;)
  • いくつか振り返りを書いていない年があったようです。とりあえず2013年は転職直後でとにかく忙しかったからですね\(^o^)/
  • 2012年以降目標を書かなくなったのは、環境の変化で目標の変更はよくあるのであまり意味がないと考えたからのはずです。なので、代わりに振り返りは書こうとうい方針にしたはずです。
  • 子育ての振り返りは、偶然書いていたのと内容的に入れといた方がよさそうだったので入れておきました。

最後に

いやー、やはり30代についてまとめると結構長くなっちゃいました。人生の1/4になりますし、当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが。数年前に同僚が40歳になったのでこれまでの10年を振り返ってみた - うえきのブログを書いていたのをみて、自分も40歳になったら同じようなものを書こうと思っていました。で、書き終わって改めて読んでみたらまったく構成が違うものになってました\(^o^)/

振り返ってみると、いろいろ大変でしたが濃密で楽しい10年間だったと思います。このように充実した30代を過ごせたのも同じ時間を共に過ごした家族や友人、同僚、お客様も含めたみなさまのおかげだと思っています。また、50歳になった時に同じように充実した40代だったと言えるように引き続き無理はしない範囲で頑張っていければと考えています。